1. 【70歳代・おひとりさま】貯蓄がまったくない人は何パーセント?
70歳代・ひとり世帯で「貯蓄が全くない人」はどのくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、70歳代・ひとり世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【70歳代・ひとり世帯】の貯蓄ゼロ(非保有)の割合
- 28.3%
1.2 【70歳代・ひとり世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1433万円
- 中央値:485万円
貯蓄ゼロ(非保有)は3割未満となりました。
2. 【厚生年金と国民年金】平均月額はいくらか
では、みなさん年金は平均で月いくら受給しているのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、現代シニアの平均的な年金額も見ていきましょう。
2.1 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
2.2 国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
国民年金で5万円台、厚生年金で14万円台でした。
3. 【2024度の年金額】2.7%増額。厚生年金と国民年金はいくらか
公的年金の年金額は、物価や賃金の変動を考慮して毎年度見直しが行われます。
厚生労働省が公表する、2024年度(令和6年度)の年金額の例を見てみましょう。
3.1 2024年度の年金額の例(国民年金と厚生年金)月額
- 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
- 厚生年金※:23万483円(+6001円)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。
厚生年金はモデル夫婦となっており、1人分にすると16万2483円です。
4. 年金に頼らない老後計画を
これまで70歳代・ひとり世帯の「貯蓄ゼロ(非保有)の割合」と年金月額を確認してきました。
少子高齢化が進むこんにち。今の年金給付水準がこの先もずっと続くとは限りません。
「人生100年時代」に老後を過ごす私たち現役世代は、公的年金だけに頼らない老後対策が必要となるでしょう。
住宅資金、教育資金とは異なり、「いつから、どの程度必要か」が見えにくい老後資金。時間をかけてコツコツと準備をしていくことは、安心できるリタイヤ生活への第一歩。
家計を管理するスキル、そして地道に貯蓄を続ける根気は、若いうちに身につけておけば一生の財産となります。加えて、資産運用でお金を育てる視点を持つことも、資産の寿命を延ばしていくための有効な手段と言えるでしょう。
5. 【ご参考】70歳代・ひとり世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)
5.1 金融資産非保有:28.3%
- 100万円未満:5.2%
- 100~200万円未満:4.0%
- 200~300万円未満:4.2%
- 300~400万円未満:4.6%
- 400~500万円未満:3.0%
- 500~700万円未満:8.8%
- 700~1000万円未満:4.8%
- 1000~1500万円未満:5.6%
- 1500~2000万円未満:5.8%
- 2000~3000万円未満:8.2%
- 3000万円以上:16.1%
参考資料
- 総務省統計局「労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)平均結果の要約」(2024年1月30日)
- 厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
吉沢 良子