2. 大手進学塾から豊島岡女子学園~立教大学(文学部)卒業までにかかる費用の目安
続いて、大手進学塾(関東の校舎)から有名私立大学を卒業するにはどのくらいかかるのか、モデルケースを見ていきましょう。
A子さん:小学4年生から通塾。豊島岡女子学園を卒業後、立教大学に進学
※以下はあくまでも概算ですので、実際に進学予定の方はご自身でも確認してください。
2.1 塾代の目安
4年生から6年生まで大手進学塾で学ぶ場合、おおよそ以下の金額が必要になります。
- 4年生:50万2150円
- 5年生:63万5250円
- 6年生:72万6000円
上記の合計金額に入会金を加えると、約190万円になります。
ただし、大手進学塾に通っている方の多くが夏期講習なども受けていますので、実際はさらに費用がかかるでしょう。
2.2 豊島岡女子学園の卒業までにかかる費用の目安
豊島岡女子学園卒業までにかかる費用の目安は以下のとおりです。
【図表4】に加えて、制服代や場合によっては寄付金も必要になります。
高額な学費ではあるものの、豊島岡女子学園の学費は関東圏の中高一貫校の中で、とりたてて高いわけではありません。他の私立の中高一貫に進学しても、500~600万円ほどかかります。
2.3 立教大学(文学部)の卒業までにかかる費用の目安
立教大学(文学部)卒業までにかかる費用の目安は以下のとおりです。
文系の私立大学に進学すると、卒業までに450~500万円前後かかります。これに加えて、教科書代などが必要です。
2.4 合計金額は約1200万円超
小学生時代の塾代から大学卒業までの金額を合算すると、約1234万円になります。
ただし、【図表3】~【図表5】には参考書代、交通費、摸試代などを含まないため、実際にかかる金額よりも低い金額になっています。
3. 「中学受験組」も節約必須な家庭が多い現実
近年における子育て世帯の年間収入は高い傾向にあります。東京都においてはとりわけ顕著であり、世帯年収1000万円以上の夫婦は半数近くいます。
国内における中学受験は主に都心部での話のため、東京都の世帯年収を考慮すると、「中学受験熱」の高さも頷けます。
とはいえ、幼稚園、小学校の受験であればともかく、中学受験に挑む家庭は富裕層ばかりではありません。
「世帯年収1000万円」と聞くと、経済的にゆたかなようにも聞こえますが、相応の税金が差し引かれる他、都心部の住居費は地方の2倍、3倍です。
このため、子どもに中学受験をさせられる家庭でも、絵に描いたような裕福な暮らしをしているわけではなく、食費やファッション、雑費などを切り詰め、生活しているケースも多くあります。
また、子どもを大手進学塾から私立の中高一貫校に入れた夫婦であっても、子どもが大学生にもなればアルバイトをして、スマホ代や定期代、交際費などは自分で支払ってほしいと考えていることがほとんどです。
参考資料
- 日本テレビ「二月の勝者-絶対合格の教室-」
- 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」(Ⅱ 各種世帯の所得等の状況)
- 東京都「令和4年度東京都福祉保健基礎調査「東京の子供と家庭」」
- 豊島岡女子学園「入試について」
- 立教大学「学費・納入金」
西田 梨紗