2026年1月8日より、3種類の個人向け国債の販売が開始されています。今回は、今回販売される個人向け国債の種類・特徴の概要に加えて、どの種類を選択するのが最適なのか、さらにはNISA制度との比較にも目を向けてお伝えしていきます。
資産投資を始めたいけど何をすれば良いのかわからないと悩んでいる人へ、ぜひ参考にしてください。
1. 個人向け国債の概要
「個人向け国債」とは、国が発行する債券で一般的に個人のみが購入できるものを指します。まずはじめに、個人向け国債の概要を簡単にご説明します。
1.1 少額購入ができる
個人向け国債は最低1万円から、1万円単位で購入が可能です。資金的に余裕がなくても購入することができるため、誰でも気軽に始めることが可能です。積立ではなく1回単位の購入のため、1度購入したら売却をするまでは基本的に何かを気にする必要がありません。
1.2 元本保証がある
個人向け国債は、発行体である日本国政府が元本と利子の支払いを保証しているため、満期まで保有すれば元本は目減りせず、元本割れしないように設計されています。日本が破産しない限りは、購入した個人向け国債が売却時に購入価額よりも低くなる事態は基本的に発生しません。資産が目減りする不安を感じることなく購入ができます。
1.3 途中換金が可能
個人向け国債は、発行から1年経過すると、保有国債を1万円単位で中途換金することができます。中途換金する際の金額は直近2回分の利子相当額が差し引かれますが、その他に手数料は不要で、元本割れはしない設計です。中途換金でもペナルティなく資金を受け取ることができるため、そこまでの気負いなく購入できます。
1.4 利益に税金がかかる
一方で注意点としては、償還利益(換金した際の購入価額との差益)に対して税金が発生する点です。
一般的に、投資活動によって発生した、配当や償還益などの利益部分には、約20%の税金が差し引かれます。NISA口座を利用すると、投資活動による利益が非課税で運用をすることができますが、個人向け国債はNISA口座では購入することができないため、個人向け国債を購入する際は、利益に対して必ず税金が発生することを考慮しておく必要があります。
2. 2026年1回目の「個人向け国債」
次に、2026年1月に販売されている個人向け国債3種類をご紹介します。
2.1 国債の種類と販売情報
現在、「個人向け国債」として販売されている商品は以下の3種類です。
・変動10年(第190回)
国債の種類: 変動金利型10年満期
販売期間(1月募集分): 2026年1月8日(火) ~ 1月30日(金)
利率: 年 1.39%(税引前)
※半年ごとに金利が変動します。
・固定5年(第178回)
国債の種類: 固定金利型5年満期
販売期間(1月募集分): 2026年1月8日(火) ~ 1月30日(金)
利率: 年 1.59%(税引前)
※満期まで利率は変わりません。
・固定3年(第188回)
国債の種類: 固定金利型3年満期
販売期間(1月募集分): 2026年1月8日(火) ~ 1月30日(金)
利率: 年 1.30%(税引前)
※満期まで利率は変わりません。
上記の他に、一定の団体でも購入が可能な「新型窓口販売方式」の国債も存在しますが、元本保証がないなど、個人向け国債とは異なる点があります。
2.2 変動と固定どっちが良い?
現状の状況から勘案をすると、販売されている3つの種類の中では、「固定5年国債」が最も賢明な投資先と言えそうです。まず第一に、表面利率が年1.35%であり3種類中最高率で魅力的です。中途換金の選択肢もあるため、今後金利が急上昇して変動型など購入がしたくなった場合でも、買い替えの検討をすることが可能です。
5年という期間は長すぎず短すぎず、日本経済の今後の見通しを考慮しても、安定した収益を確保できる最適なバランスと言えるでしょう。
3. 新NISAの資産運用との違いと使い分けのポイント
ここで、投資初心者にも多く活用されている、新NISA制度の「つみたて投資枠」を活用した投資と「個人向け国債」の運用における、相違点と使い分けのポイントを解説します。
個人向け国債と新NISAは、どちらも資産形成のための手段ですが、個人向け国債が「資産を守る」ことに重点を置いているのに対し、新NISAは「資産を攻めて増やす」ための制度と言えます。
3.1 リスクとリターン
個人向け国債は、先ほどお伝えした通り、国による元本保証がされているため、投資に使ったお金が目減りすることはありません。その代わり、利益としても一般的な投資と比較するとかなり低く、あくまでも普通預金よりはある程度の利益が保証された投資活動と言えます。
一方で、新NISA制度の積立投資は、基本的に政府が選んだ安定して安全性の高い商品が揃っているものの、元本の保証はされておらず、価格変動リスクがあります。しかし、景気上昇などにより市場が上向きになることで、商品価値があがり、大きな利回りを期待できる可能性もあります。
このように、新NISA制度における投資の方が、個人向け国債と比較すると「ハイリスクハイリターン」な投資と言えます。
3.2 課税と非課税
前述した通り、個人向け国債を償還(売却)した際の差益や受け取り利息には、それぞれ約20%の税金が発生します。そのため、例えば100万円で購入した国債に対して1%の利息がついた場合、1万円の利益が発生しますが、約2000円が税金として差し引かれるため、実際に手元に受け取ることができる金額は8000円ということになります。
一方で、新NISA制度の積立投資を行った場合、その利益には税金は発生しません。100万円で購入した商品を101万円で売却した場合、その利益分の1万円はそのまま受け取ることができるのです。
3.3 投資に求めるものを理解して利用する
このように、個人向け国債と新NISAはどちらも資産投資の方法の1つですが、その特徴には大きな違いがあります。
それぞれの特徴を理解した上で、自分が投資に何を求めているのかをきちんと理解して、必要なものを選択することが重要となります。
4. おわりに
今回は、手堅い資産運用である「個人向け国債」と、将来性のある「新NISAでの積立投資」を比較しました。
「個人向け国債」は、元本割れのリスクがなく安全な運用ですが、大きな利益を期待するのは難しく、円安やインフレに弱い側面があります。
一方、「新NISAでの積立投資」は、元本割れのリスクはゼロではないものの、非課税や分散投資といった大きなメリットを活かして、資産を育てていくことができます。
「絶対に減らしたくない」という安心感を大切にするのか。 それとも「未来のために増やしたい」という成長性を重視するのか。
投資をする上で何を大切にしたいのかをしっかりと考え、自分に適切な投資先を選択しましょう。
参考資料
斎藤 彩菜