「うちは兄弟仲がいいから、遺産相続争いとは無縁」

そう思っている人は、もしかしたら考えが甘いかもしれません……。遺産相続争いは兄弟仲が良い家庭でも起こり得ます。

法務省「令和4年司法統計年報」によると、家庭裁判所で調停を受け遺産分割が成立した件数は6857件もあります。

特に親の介護を兄弟のうちどちらか一方が行った場合は要注意と言えるでしょう。介護の貢献度を巡って相続争いになることも。

今回は、AさんBさん兄弟に起こった「介護の貢献度」を巡る遺産相続争いのケースを見ていきましょう。

1. 実家に同居する長男Aさん・実家と疎遠な次男Bさん

疎遠になった次男に対しても、父は変わらぬ愛情を持ち続けていた

3人のスーツ姿の男性

metamorworks/shutterstock.com

1.1 長男Aさん:地元で就職、結婚後は実家に同居

Aさんは地方で小さな工務店を営む父親のもとに、長男として生まれました。地元の大学卒業後、地元の信用金庫に就職し、同僚だったA子さんと結婚しました。

子供が生まれると同時に両親と同居し、夫婦で父母の世話をしてきました。そして3年前に母を看取ったあと、足腰が弱くなった父の介護を夫婦で協力して行っています。

1.2 次男Bさん:海外勤務を経て、東京のタワーマンション暮らし

AさんにはBさんという弟がいます。Bさんは幼いころからとても優秀で、東京の有名大学を卒業後、東京の大手金融機関でファンドマネージャーをしています。

また、妻のB子さんと結婚したのを機に、東京のベイエリアにタワーマンションを購入して住んでいます。

職業柄、海外勤務だった期間も多く、実家との関係は疎遠です。帰省も年に一度、年末年始にするくらいです。