先月、厚生労働省より2024年度の「標準的な夫婦」がもらえる年金額(額面)は約23万円と公表がありました。

ただし、年金は税金や社会保険料が差し引かれるため、額面と手取りは異なります。では、標準的な夫婦がもらえる約23万円の年金からはいくらの税金と社会保険料が差し引かれるのでしょうか。

本記事では、額面年金約23万円の手取りがいくらかをシミュレーションするので参考にしてみてください。

1. 2024年度の標準的な夫婦がそれぞれ受け取る年金はいくらか

年金は1人ごとに受け取る金額が異なります。そのため、夫婦は別々に年金を受け取る仕組みです。

では、厚生労働省が公表した標準的な夫婦がもらえる年金約23万円の内訳はどのようになっているのでしょうか。

厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」によると、標準的な夫婦とは「平均月収(賞与含む)が43万9000円で40年間就業した会社員」と「会社員や公務員などとしての勤務経験がない専業主婦(夫)」の世帯です。

それぞれが受け取る年金は以下のとおりとなっています。

  • 平均月収(賞与含む)が43万9000円で40年間就業した会社員:月16万2483円
  • 会社員や公務員などとしての勤務経験がない専業主婦(夫):月6万8000円

本記事では、夫が会社員で妻が専業主婦の世帯を前提としてシミュレーションを進めます。

2. 夫の年金の手取りはいくらか

まずは、会社員の夫がもらう月16万2483円(年間194万9796円)の手取りを確認しましょう。以下の条件でシミュレーションします。

  • 東京都練馬区在住の70歳
  • 65歳から年金受給を開始
  • 収入は年金のみ
  • 基礎控除・社会保険料控除・公的年金所得控除・配偶者控除のみを適用

シミュレーションの結果は以下のとおりです。

公的年金の手取り額シミュレーション2/3

公的年金の手取り額シミュレーション

出所:筆者作成

2.1 額面年金が年間194万9796円(月16万2483円)の人の税金と社会保険料

  • 所得税:0円
  • 住民税:0円
  • 国民健康保険料:年間10万円
  • 介護保険料:年間4万9000円
  • 手取り:年間180万円(月額15万円)
    194万9796円ー10万円(国民健康保険料)ー4万9000円(介護保険料)

所得税と住民税はかかりませんが、国民健康保険料と介護保険料がかかります。額面月16万2483円に対して手取りは月15万円のため、手取り率は92.3%です。

3. 妻の年金の手取りはいくらか

次に、妻がもらう月6万8000円(年間81万6000円)の年金の手取りをシミュレーションしましょう。以下の条件でシミュレーションします。

  • 東京都練馬区在住の70歳
  • 65歳から年金受給を開始
  • 収入は年金のみ
  • 基礎控除・社会保険料控除・公的年金所得控除・配偶者控除のみを適用

シミュレーションの結果は以下の通りです。

公的年金の手取り額シミュレーション3/3

公的年金の手取り額シミュレーション

出所:筆者作成

3.1 額面年金が年間81万6000円(月6万8000円)の人の税金と社会保険料

  • 所得税:0円
  • 住民税:0円
  • 国民健康保険料:年間6万円
  • 介護保険料:年間2万5000円
  • 手取り:年間73万1000円(月額6万1000円)
    81万6000円ー6万円(国民健康保険料)ー2万5000円(介護保険料)

夫同様に税金はかからず、国民年金保険料と介護保険料のみがかかります。

額面年金月6万8000円に対する手取りは月6万1000円なので、手取り率は89.7%です。

また、受給額約23万円の標準的な夫婦の手取りは、合計で約21万1000円となります。

4. もらえる年金額は世帯によって異なる

本記事では、厚生労働省が公表した標準的な夫婦の年金受給額を紹介しました。

ただし、年金受給額は現役時代の平均年収や働き方によって大きく異なります。そのため、世帯によって受給額はそれぞれです。

まずは、自分の世帯がどれくらいの年金をもらえるのかをシミュレーションしてみて、老後の計画を立ててみてはいかがでしょうか。

参考資料

苛原 寛