3. 大学進学が全てではないという考え方もある

首都圏で暮らしていると、「高校卒業→大学進学」という錯覚に陥ります。このことは、東京の7割を超える大学進学率も裏付けるでしょう。しかし全国的に見てみると、大学進学者はむしろマイノリティな存在とも言えます。

地方都市の一部のエリア、もしくは進学校に在籍していると、高校卒業後の進路は大学進学一択かもしれません。そして、大学進学後は長期間にわたる就職活動をして、大卒として就職します。

しかし、地方には二年制の専門学校を出て就職する人も多くいます。美容師や介護士などとして働く場合、大学生のような就活活動をこなす必要がないケースも多々あります。

また、高卒での就職の道も拓かれています。例えば、鳥取労働局は令和6年3月・新卒(高卒)の求人倍率は2.77倍と発表しています。この倍率のみから言うと、就職を希望して採用枠からこぼれることはありません。

4. まとめにかえて

日本には約800もの大学があります。大学の中には定員割れし、財政難に陥っている大学も少なくありません。こうした状況に対して、日本には大学が多すぎるという意見もあります。

また、大学に何となく進学し、大卒枠で就職活動を行う人も多いです。このようなケースでは資格やスキルがなければ、高校生よりも就職活動に苦戦することも珍しくありません。

また、四年制大学の文学部で何気なく過ごすよりも、介護、看護などの資格を取得できる短期大学や専門学校などに進学した方が安定した生活を営める可能性もあります。

大学に対する認識は各都道府県によって大きく異なります。自分が将来暮らしたいエリアにおける大学に対する考え方をとらえた上で、特性や希望する職業を踏まえて検討することが大切です。

参考資料

西田 梨紗