2018年2月16日に行われた、アサヒグループホールディングス株式会社2017年12月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料
スピーカー:アサヒグループホールディングス株式会社 取締役 兼 執行役員 (CFO) 濱田賢司 氏
決算ハイライト
濱田賢司 氏(以下、濱田):みなさんこんにちは。財務を担当しております濱田でございます。本日は弊社の決算説明会に誠にありがとうございます。最初に決済の概要についてご説明させていただきます。
すでに決算短信や補足資料をご覧いただいているかと思いますので、お手元のプレゼン資料に沿いまして、ポイントを絞ってご説明させていただきます。まず、1ページの決算ハイライトからご覧ください。
昨年の売り上げ収益につきましては、最盛期の天候不順などにより、酒類事業が減収となりましたが、飲料食品事業に加えて主に事業の新規連結に伴う国際事業の大幅な増収により、トータルでは前年比22.1パーセント増収の2兆849億円となりました。
事業利益につきましては、国内産事業に加えてお欧州やオセアニアの好調により、国際事業の大幅な増益により、トータルでは前年比32.2パーセント増益の1,964億円となりました。
右側に記載しております2018年の売り上げ収益の予想につきましては、LB社の譲渡により飲料事業が減収となりますが、昨年4月から連結している中東事業の通電効果もある国際事業の増収などにより、トータルでは前年比2.6パーセント増収の2兆1,400億円を見込んでおります。
事業利益につきましては、主流事業の増益に加えて欧州事業の一時費用の減少を含む国際事業の大幅な増益により、トータルでは前年比12パーセント増益を見込んでおります。次ページ以降は、各事業について記載しております。
酒類事業(ビール類販売数量)
詳細は後ほどご確認いただくといたしまして、簡単にポイントのみご説明させていただきます。
まず2ページのビール類の販売数量につきましては、昨年は市場全体が2~3パーセント縮小するなか、当社は新ジャンルが前年を上回りましたが、ビールの減少が大きくトータルでは、前年比2.1パーセントの減少となりました。
2018年につきましても、市場全体では2パーセント程度の縮小を見込むなか、リターナブル容器の価格改定影響などを踏まえ、前年比1.2パーセントの減少を見込んでおりますが、引き続き市場平均を上回る成長を目指してまいります。
酒類事業(売上収益)
次の3ページに記載しているビール類以外の種類につきましては、昨年は中段にありますように、RTDやワインを中心に各カテゴリーが堅調に推移したことにより、トータルでは前年比3.6パーセントの増収となりました。
2018年予想につきましても、市場拡大が続くRTDの強化を中心として、各カテゴリー主力ブランドの強化により、トータルでは前年比4.8パーセントの増収を目指していきます。
酒類事業(事業利益)
次に、4ページの事業利益につきましては、昨年はビール品の販売数量の減少影響がありましたが、ビール類以外の増収効果に加えて、広告販促費など計画を上回るコスト全般の効率化により、前年比0.6パーセントの増益となりました。
2018年予想につきましては、ビール類の販売数量は減少計画ですが、リターナブル容器の価格改定効果を含むビール類の限界利益の増加に加えて、ビール類の容器構成差やビール類以外の増収効果などにより、前年比3.8パーセント増益の1,250億円を見込んでおります。
飲料事業(販売数量)
飲料事業についてご説明いたします。販売数量につきましては、昨年はウィルキンソンやカルピスなどが牽引し、トータルでは前年比0.8パーセントの増加となりました。2018年予想につきましては、改めて主力6ブランドの強化に注力するとともに、健康領域の商品展開の拡大などにより、前年比2.9パーセントの増加を目指します。
飲料事業(事業利益)
6ページの事業利益につきましては、昨年は数量増効果や、品種・容量構成差の改善に加えて、広告販促費を含めたコスト全般の効率化により、予想を上回る前年比18.5パーセント増益となりました。
2018年予想につきましては、LB社の譲渡によるマイナス影響がありますが、数量増効果に加え、操業度の向上や内製化の推進推進などにより、前年比1.5パーセント増益の389億円を見込んでおります。
食品事業(売上収益・事業利益)
次の7ページの食品事業につきましては、昨年はミンティアなど主力ブランドの好調により、前年比2.7パーセントの増収となり、事業利益は増収効果や各種の製造原価の低減などにより、前年比13.4パーセントの増益となりました。
2018年予想につきましては、事業構造改革に伴う減収もあり、トータルの収益は横ばいとなりますが、付加商品価値の展開強化などにより、前年比4.1パーセントの増益を目指していきます。
国際事業(売上収益)
次の8ページの国際事業には、上段の決算ベースの数値に加えまして値段に為替益を除いたベースの数値を記載しております。
国際事業(事業利益)
決算は事業利益でご説明いたしますので、9ページをご覧ください。最初に欧州以外についてご説明いたします。
昨年のオセアニア事業は成長カテゴリーである水や「PERONI」が加わったビールが好調に推移したことに加え、継続した統合シナジーの創出効果のあり、前年比19.9パーセントの増益となりました。
2018年予想は、「スーパードライ」とPERONIを中心としたプレミアムビールの強化や生産物流体制の最適化などにより、前年比11.8パーセントの増益を見込んでおります。
一方で、昨年の東南アジア地域は、各事業の主力ブランドが好調に推移したものの、主にマレーシアにおける市場の低迷や原材料価格に高騰などにより、前年比65.4パーセントの減益となりました。
2018年予想は、マレーシアにおける「ワンダ」「カルピス」といった自社ブランドの拡大や、製造原価の低減に加えてインドネシア事業の売却効果などにより、前年比155.5パーセントの増益を見込んでおります。
また、昨年の中国事業はスーパードライが好調に推移したものの、主に「青島ビール」の受託製造ミックス悪化などにより25.8パーセントの減益となりました。2018年予想は、3月末予定の青島ビールの株式売却に伴い、煙台ビールが連結子会社から外れることなどにより、前年比7億円の減益を見込んでおります。
なお、煙台ビールを除いたベースでは、スーパードライを中心としたプレミアムビールの拡大などにより、増収・増益を計画しております。
欧州事業(売上収益・事業利益)
次に欧州事業の内訳についてご説明いたしますので、10ページをご覧ください。
売り上げ収益につきましては、昨年は両事業の新規連結効果に加えて、主力ブランドの数量増とミックス改善により、トータルでは予想を上回る前年比3,472億円の増収となりました。
2018年予想につきましては、中東欧の1~3月分の上乗せに加え、プレミアムブランドを軸とした売り上げ拡大などにより、前年比17.5パーセント増収の4,389億円を見込んでおります。
事業利益につきましても、昨年は新規連結効果に加えて増収効果とミックス改善などにより予想を上回る前年比528億円の増益となりました。
2018年予想につきましても、増収効果やコスト全般の効率化に加えて、一時費用の減少などにより、トータルでは前年比43.5パーセント増益の732億円を見込んでおります。
営業利益・親会社の所有者に帰属する当期利益
最後に、営業利益以下についてご説明いたします。11ページをご覧ください。
昨年の営業利益につきましては、マレーシアの業績悪化やインドネシア事業の譲渡に伴う減損損失などを計上いたしましたが、事業利益の大幅な増益に加えてLBの売却益などもあり、前年比33.8パーセント増益の1,832億円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益につきましては、営業利益の増益に加えて、康師傅飲品社の株式売却益の発生などにより、前年比58パーセント増益の1,410億円となりました。右側に記載しております
2018年の営業利益につきましては、固定資産除売却損やその他の費用の増加などにより縮小して、前年比9.2パーセント増益の2,000億円を見込んでおります。
なお、その他に計上しております140億円につきましては、現時点で具体的なリスク等を織り込んでいるわけではなく、国内外の事業再編費用や更なる資産効率化に向けた研修を概算値として計上しており、例年どおり一定の予備費も含めているとお考えいただければと思います。
親会社の所有者に帰属する当期利益につきましては、康師傅飲品社の売却益などが無くなりますが、その他の項目に青島ビールの売却益を含む60億円を計上していることなどにより、前年比0.7パーセント増益の1,420億円を見込んでおります。
最後に配当について触れておきます。昨年は一株当たりの年間配当を21円増配するとともに、2018年予想では15円の増配を見込んでおります。これにより、事業ポートフォリオの再構築など特殊運用を除きましたベースの配当性向は、30.3パーセントとなり、2018年までにリファーストベースの配当性向で30パーセントを目指すといたしました株主還元方針を達成する見込みです。
今後も業績の向上に合わせまして、株主還元の充実に努めていくことで株主投資家の皆さまのご期待に応えていく方針でございますので、引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。
以上、簡単ではございますが、私からのご説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。