2. 【70歳代】二人以上世帯の貯蓄額をチェック!
賃貸の場合は家賃として、持ち家の場合はローンの返済として、シニアのお金事情に影響してくる老後の住まい問題。
それでは、現在の70歳代はどのくらいの貯蓄を所持しているのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、70歳代の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
2.1 【参考】70歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表(金融資産非保有世帯を含む)
- 金融資産非保有:18.7%
- 100万円未満:5.9%
- 100~200万円未満:4.1%
- 200~300万円未満:2.8%
- 300~400万円未満:4.0%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:7.5%
- 700~1000万円未満:6.5%
- 1000~1500万円未満:10.3%
- 1500~2000万円未満:7.1%
- 2000~3000万円未満:10.0%
- 3000万円以上:18.3%
ちなみに、70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額は1905万円、より実態に近い数値とされる中央値は800万円という結果でした。
3. 【終活】そもそも「相続登記」って? 老後の住まいでおさえたいポイント3つ
持ち家の場合、終活として相続をするケースもあるでしょう。その際に気をつけたいのが「相続登記」です。
2024年4月1日より義務化される「相続登記」は、以下のような内容となっています。
3.1 相続で取得したと知った日から3年以内の登記
相続人は、不動産(土地・不動産)を相続で取得したことを知った日から3年以内に、総毒登記することが法律上の義務になります。
この場合、法務局に申請する必要があります。
3.2 相続登記しなかった場合、罰金が科される可能性もある
正当な理由なく相続登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
3.3 遺産分割の話し合いで得た不動産も登記の対象
相続人が複数いる場合に行われる遺産分割の話し合いで不動産を取得した場合も、別途遺産分割から3年以内に登記をする必要があります。
なお、2024年4月1日以前に相続した不動産についても、相続登記されていないものは義務化の対象です。
期限があり、早めの対応が必要となる場合が多くなるといえるでしょう。詳しくは法務省のホームページやお近くの法務局(予約制の手続案内)をチェックしてみてください。
4. 【終活】老後の住まいは自分だけの問題ではない! 早めに計画を立てよう
持ち家には持ち家ならではの心配事が、賃貸には賃貸ならではの心配事があります。
日本人の平均寿命が男女ともに80歳を超える現代において、70歳になる前から終活を意識しはじめる方が多く、準備しなければならないことにお金や遺産の問題を挙げる人も決して少なくありません。
老後の住まいに関していえば、持ち家であれ賃貸であれ、それぞれに「見落としがちなポイント」が隠れています。
なるべく早めの段階で、様々な事態に備えたシミュレーションをしておくとよいでしょう。
参考資料
- 法務省「不動産を相続した方へ ~相続登記・遺産分割を進めましょう~」
- 株式会社エス・エム・エス「親の終活に関する意識調査」(PRTIMES)
- 株式会社AlbaLink「老後の住まいに関する意識調査」(PRTIMES)
- 株式会社AlbaLink「【老後の持ち家・賃貸に関する不安ランキング】男女500人アンケート調査」
- 株式会社AlbaLink
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
荒井 麻友子