2024年4月1日から、不動産(土地・建物)相続登記の義務化が決定しています。
しかし、そもそも終活において何をすればよいか、老後の住まいを不安に思う人は少なくありません。
実際に株式会社エス・エム・エスが実施した意識調査では、相続登記が義務化されることの認知率は2割程度とやや低調気味でした。
さらに、相続についての不安の有無を問われた712人のうち67.6%が「はい」と回答。3人に2人が相続に不安を感じているということがわかりました。
そして、昨年の結果と比較して、親と話しておきたいことのランキング内での「家」の立ち位置が上昇。昨今の空き家問題などの報道を受け、注目度が上がったと推測できます。
不動産の登記については猶予期間があるとはいえ、今から備えておくに越したことはありません。では実際に、どういったことを意識すればよいのでしょうか。
今回は、最新の意識調査結果を踏まえながら、相続登記で気をつけたいポイント、70歳代の貯蓄事情をまとめました。
1. 【老後の住まい】最新の意識調査データをチェック!
株式会社AlbaLinkが、自社で運営する訳あり物件買取ナビを通じて「老後の住まいに関する意識調査」を実施。
全国の男女500人が老後の住まいに対して感じている不安意識が明らかになりました。
調査概要は下記のとおりです。
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 調査対象:全国の男女
- アンケート母数:合計500人(女性350人/男性150人)
- 回答者の年代:20代14.2%、30代39.8%、40代26.8%、50代14.8%、60代以上4.4%
- 住まいの種類:持ち家279人/賃貸221人
- 実施日:2023年12月13日
- 調査会社:株式会社AlbaLink
- リリース公開日:2023年12月22日
1.1 「老後の住まいに不安がある人」は持ち家・賃貸ともに9割以上
全国の男女500人に「老後の住まいに不安があるか」を聞いた結果「かなりある」「少しある」と答えた人の割合は「持ち家」が98.9%、「賃貸」が97.7%。
持ち家でも賃貸でも、ほとんどの人が老後の住まいに不安を感じているとわかりました。
1.2 老後の賃貸に関する不安1位は「家賃を払い続けられるか」(103人)
賃貸派に聞いた、老後の住まいに関する不安でトップとなったのは「家賃を払い続けられるか(103人)」でした。
賃貸は、住んでいる限りずっと家賃が発生するため、退職後の収入がない状態でも払い続けられるか不安に思う人が多いようです。
また、高齢になると契約更新や入居時の審査が厳しくなるケースがあることから「賃貸に住み続けられるか(78人)」、「持ち家に住み替えるべきか(37人)」などを心配している人も目立ちました。
1.3 老後の持ち家に関する不安1位は「維持管理が大変」(146人)
次に、持ち家派に聞いた老後の住まいに関する不安の1位は「維持管理が大変(146人)」でした。
その後に「住めなくなった際の手続き(51人)」、「住宅ローンを完済できるか(48人)」と続きます。
維持管理の大変さは、持ち家ならではの不安といえるでしょう。
また、持ち家を買うと、住み替えや相続に手間がかかるケースも多くなります。そのため「スムーズに売却手続きができるだろうか」「相続に関して不勉強で大変」といった不安も多く見受けられました。
住み替えの手続きに加え、人生最期のタイミングでどうするのかを不安に思う人も一定数いるようです。また、ローンなどの支払い面を不安に思うこともあるでしょう。
不安の理由として挙げられた、家賃支払いやローン返済のひとつの目安として、シニア世代がどれだけ貯蓄しているのか確認していきましょう。