新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、2020年2月に株式等のリスク資産の大幅な下落(コロナショック)が始まり、日本経済は大きなダメージを受けました。

ホテル業界や観光業界に大きな影響を与えると共に、飲食業、建設業などの倒産した企業も少なくありません.

しかしそれにもかかわらず、新築分譲マンション市場はこれまで堅調に推移し続けてきました。

そして2024年以降のマンション市場はどのように変化していくのかが注目されています。

そこでまずは、2023年の新築分譲マンション市場を振り返ってみたいと思います。

1. 2023年の首都圏新築マンション市場動向

株式会社不動産経済研究所は、2024年1月25日に首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県)における2023年の新築マンション市場動向を発表しました。

それによると、首都圏での発売戸数は2万6886戸で前年の2万9569戸から9.1%減となっています。

東京23区のみが前年比10.3%増(1万1909戸)となっているものの、その他のエリアでは東京都下3.3%減(2282戸)、神奈川県19.5%減(5962戸)、埼玉県35.8%減(3030戸)、千葉県13.7%減(3703戸)と軒並み減少傾向にあり、特に埼玉県での大幅な減少が目立っています。

また累積契約率は83.7%で、前年同期の86.7%からマイナスとなっています。

これはマンション用地の高騰が続き、建築費も上がり続けていることから、1棟のマンションを完売させることが年々厳しくなっていることがうかがわれます。

一方、一戸あたりの平均価格は8101万円、1㎡あたりの単価は122万6000円となっていて、前年比では平均価格で1813万円(28.8%)、㎡単価で27.5万円(28.9%)のアップになっており、いずれも過去最高値を大幅に更新しています。

価格帯別供給戸数を見ると総計で2万6886戸のうち、8000万円超9000万円以下が2798戸、9000万円超9999万円以下が1175戸、1億円以上2億円未満が2846戸、2億円以上3億円未満が701戸、3億円以上が627戸といったように、高額物件が多いことがわかります。(8000万円超の物件が合計8147戸で全体の30.3%)

そして東京23区においては平均価格が1億1483万円になっていて、初めて1億円の大台を突破しました。

これらのことから2023年の特徴は、発売戸数は2年連続の3万戸割れで東京23区以外のエリアがいずれも減少しているものの、価格については一戸あたりの平均価格、㎡単価ともに記録的な高値となっています。

2億円以上のマンションを購入する富裕層がいる一方で、実需層の需要は減退しているともいえるでしょう。

したがって2023年の首都圏新築マンション市場は「価格上昇継続」の1年だったということになり、都心の超高額物件が首都圏新築マンションの平均価格の上昇をけん引しているといえます。