生活保護は、生活が困窮している人に対して、経済的な支援を行う国の制度ですが、誰しもが生活保護を受けられるわけではありません。

本記事では、生活保護を受けるための条件や年収目安について紹介していきます。

地域による支給額の一例も紹介しているので、「生活が苦しくて困っている」「生活保護を申請しようか迷っている」という方は参考にしてみてください。

1. 生活保護を受けるための条件

冒頭でもお伝えしたように、「生活保護」は生活に困っている人に対して、最低限度の生活の保障と自立助長のサポートをすることを目的とした制度を指します。

しかし、生活が困窮しているというだけで生活保護を受けられるわけではなく、一定の条件を満たしている必要があります。

生活保護の要件として、主に下記4つが挙げられます。

  • 資産の活用:預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があるか
  • 能力の活用:働くことが可能か
  • あらゆるものの活用:年金や手当など他の制度で給付を受けることができるか
  • 扶養義務者の扶養:親族等から援助を受けることができるか

上記4つに1つでも該当する場合は、生活保護を受けることができません。

たとえば、自動車や家を所有している場合、それらは資産となるため生活費を捻出するための「資産の活用」として原則処分する必要があります。

反対に上記のような手段を活用しても、世帯の収入が定められた基準で計算される最低生活費に満たない場合にのみ生活保護が適用されます。

なお、「最低生活費」とは、健康で文化的な最低限度の生活を送るために必要な費用のことを指します。

1.1 生活保護を受けられる年収目安は?

生活保護を受けるための要件の1つに「能力の活用(働くことが可能か)」があり、世帯収入が最低生活費以下であるかどうかは、生活保護申請時に重要視されます。

では、具体的にどのくらいの年収であれば、生活保護が受けられるのでしょうか。

結論からお伝えすると、生活保護を受けられる年収目安は、世帯構成や地域によって異なります。

生活保護を受ける場合、世帯構成や地域などの生活状況に基づいて生活保護費が定められており、最低生活費と収入の差額が「生活保護費」として受け取れます。

【図表1】

筆者作成

つまり「世帯収入が最低生活費以下」であれば、生活保護を受けられる可能性が高いです。

生活保護費は地域によって異なりますが、一例として東京23区の場合、最低生活費が月に約13万円であるため、年収が156万円以下であれば、その差額を生活保護費として受け取れます。