2. 最低生活費の計算方法
前章でもお伝えしたように、生活保護として支給される「生活保護費」は、最低生活費から収入を差し引いた金額となります。
最低生活費の計算方法は下記のとおりです。
最低生活認定額=A+B+C+D+E+F
- A:「生活扶助基準(第1類+第2類)+特例加算(1人当たり月額1000)+生活扶助本体における経過的加算
- B:加算額
- C:住宅扶助基準
- D:教育扶助基準、高等学校等修学費
- E:介護扶助基準
- F:医療扶助基準
基本的には「生活扶助」と「住宅扶助」の2つを元に最低生活費が定められており、世帯状況に応じて教育扶助や介護扶助なども加算されます。
2.1 最低生活費は地域によって異なる
生活保護は最低生活費を元に支給額が決定しますが、最低生活費の基準は地域によって異なり、基本的に地方よりも都市部のほうが最低生活費が高い傾向にあります。
これは地域間の「生活水準の差」を考慮したものであり、地域によって「1級地-1」から「3級地-2」までの生活保護基準が設けられています。
1級地には「東京23区」や「横浜市」「大阪市」などの都市部が該当し、2級地や3級地には地方が割り振られています。
一例として、50歳 単身世帯男性の「1級地〜3級地」における、最低生活費は下記のとおりです。
- 東京都23区(1級地-1):12万9420円
- 福岡県久留米市(2級地-1):10万4430円
- 山形県米沢市(3級地-1):9万8080円
上記からもわかるように、1級地が最も最低生活費が高く、2級、3級と等級が下がるにつれて少額になっていきます。
このように、地域によって最低生活費に大きな差が生じているため、自分の地域の最低生活費がしりたい場合は、お住まいの福祉事務所の生活保護担当に相談してみると良いでしょう。
3. お住まいの地域の最低生活費を算出してみよう
本記事では、生活保護を受けるための条件や年収目安について紹介していきました。
生活保護は一定基準を満たした場合、誰しもが受けられる国の制度です。
生活保護を受ける場合、生活保護費が支給されますが、その額は世帯の収入や最低生活費によって変わるため、本記事を参考にお住まいの地域の最低生活費を算出し、ご自身の収入から「生活保護費」がどのくらいかを確認してみると良いでしょう。
もし、収入が最低生活費を下回る場合は、生活保護を受けられる可能性があるため、気になる方はお住まいの福祉事務所に問い合わせをしてみることをおすすめします。
参考資料
和田 直子