老後の収入の柱となるのが年金。年金は偶数月に2か月分がまとまって支給されます。次回の年金支給日は4月15日。
お金の管理が苦手だと、2か月分を1か月で使い切ってしまう可能性もありますね。
そんな年金ですが、2024年度は昨年度から2.7%の引き上げ増額されることになりました。増額は嬉しいことですが物価の上昇もあり、喜んでばかりいられないのが辛いですね。
しかも公的年金制度である「厚生年金」に関しては、勤続年数や現役時代の収入によって受給額が増減するのもやっかいなところです。
今回増額改定された年金の標準的な夫婦のモデル年金から算出すると、支給される年金額の合計は約46万円となります。
金額だけを見ると思ったよりもらえそうなどの意見が出てきそうです。ですが、実際はそうとも言い切れない理由があります。
今回はその理由や、皆さんが見落としがちな注意点についても見ていきましょう。
1. 厚生年金と国民年金とは?公的年金の仕組みを整理する
まずは日本の年金制度の確認をします。日本の公的年金は、上記のように国民年金と厚生年金の2階建てになっています。
1.1 国民年金(1階部分)の加入対象者と保険料
国民年金は1階部分にあたり、原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務があります。
保険料は一律なので、誰でも同じ金額を納めます。2024年度は1万6980円。ただし前納すると割引が受けられます。
なお、月額400円の付加保険料を納付すれば、将来の老齢基礎年金の額を増額できます。
つまり、保険料を納付した期間や付加保険料の有無に応じて、老齢基礎年金の額が決定されるという仕組みです。
1.2 厚生年金(2階部分)の加入対象者と保険料
厚生年金は2階部分にあたり、公務員やサラリーマンなどの第2号被保険者が加入します。
こちらの保険料は一律ではなく、収入に応じた保険料を支払います。ただし上限があるので、高額所得者は同じ保険料となります。
では、2024年度の年金額はどのように改定されたのでしょうか。
2. 【2024度の年金額例】国民年金と厚生年金はいくら?
ここでは厚生労働省の資料より、2024年度の年金額例を見てみましょう。
2.1 令和6年度の年金額の例(国民年金と厚生年金):月額(前年度比)
- 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
昭和31年4月1日以前生まれの方は月額 6万7808円(+1758円)
- 厚生年金※:23万483円(+6001円)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。
厚生年金の場合でみると、「会社員の夫と専業主婦の妻」というモデル夫婦で試算されます。
夫婦2人分の年金額は23万483円。では、約46万円が支給される理由に迫りましょう。