2018年2月21日に行われた、株式会社土木管理総合試験所2017年12月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社土木管理総合試験所 代表取締役社長 下平雄二 氏

会社概要

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下平雄二氏(以下、下平):改めまして、おはようございます。ただ今ご紹介をいただきました、土木管理総合試験所の下平と申します。本日は大変お忙しいところ、弊社平成29年12月期の決算説明会にご出席をいただきまして、誠にありがとうございます。

時間もありませんので、それではさっそく説明に入らせていただきたいと思います。

当社の会社案内ということで、動画を約5分程度お見せしたいと思いますので、こちらのスクリーンをご覧願いたいと思います。よろしくお願いします。

(動画が流れる)

下平:どうもありがとうございました。今動画にもあったと思うんですけれども、当社は1985年に創業しております。昭和60年です。社名は土木管理総合試験所で、証券コード6171になります。

本社は去年の春、東京本社を開設しており、2本社体制ということで長野と東京が本社となります。事業所は、現在27ヶ所になります。先ほど動画にもありましたが、3つの試験センターがあります。資本金は7億6,449万3,500円です。従業員は394人となります。昭和60年5月に創業しておりまして、10月に株式会社としております。

事業内容につきましては、試験総合サービス事業と地盤補強サービス事業、その他事業。この3つがセグメントとなっております。

そのうちの試験総合サービス事業が、全体の売上としても約9割になります。コア事業となります。土質・地質からスタートして非破壊、そして環境、この3つがコアとなります。

地盤補強サービス事業は、当初スタート時点からやっております、土質とか地質で地盤が悪い、そういったときに提案をして、地盤を補強する事業が、一部ここに加わっているということです。

その他事業は、当社はいろいろな試験設備を持っているんですけれども、そういった中で自社で試験機を開発したりということもあります。開発した試験機を販売している事業になります。

この3つが、セグメントとしての3つになると思います。

平成29年12月期 決算概要

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前期、平成29年12月期の決算概要となります。

売上高につきましては48億円、売上総利益につきましては16億600万円、営業利益につきましては3億1,300万円、経常利益につきましては3億800万円、当期純利益につきましては1億8,800万円であります。1株あたりの当期純利益につきましては15.19円となっております。

試験総合サービス事業/地盤補強サービス事業・その他事業

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セグメント別の売上とセグメント別の利益です。

売上の全体の9割を占める試験総合サービス事業は、売上高が43億6,900万円、セグメント利益が8億6,500万円になります。

地盤補強サービス事業とその他事業は、売上高が4億3,100万円、セグメント利益が700万円という結果になっております。

キャッシュ・フロー計算書

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キャッシュ・フロー計算書になります。

営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、2億9,200万円、投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、マイナスの6億9,800万円、財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、2億3,100万円、現金および現金同等物の期末残高につきましては、7億6,900万円となっております。

平成30年12月期 決算予想

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平成30年、今期の12月期の決算の予想です。

売上高につきましては51億円、売上総利益につきましては16億8,700万円、営業利益につきましては3億6,000万円、経常利益につきましては3億5,700万円、当期純利益につきましては2億3,500万円、1株あたり当期純利益につきましては18.2円です。

平成29年 事業トピックス

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続きまして、もう過ぎた年ではありますけれど、平成29年12月期のトピックスとして、こちらに3つほど挙げました。

1つ目は営業エリアの拡大です。

先ほども営業拠点を東京本社は、去年の春に開設をしております。

長野は非常に自然環境がよく、非常に空気のきれいなところですので、技術部隊を中心とした本社として、機能しております。

東京は、情報量が圧倒的に多いということで、営業の拠点としての本社としてスタートしております。その結果もあるんですけれども、去年東京都の案件であるとか東京オリンピックの関係の元請け受注も、実績として作ることができております。

また、営業エリアの拡大ということでは、この後少し説明をしますけれども、岩手県の盛岡と熊本県の熊本市に支店を開設しております。両方とも1年しか経っていないんですけども、順調に成長しています。

2つ目のラボの拡充です。

これも同じように、去年の春に西日本試験センターの第2期の工事を終わらせました。今まで、当初は土質を中心としたラボであったんですけれども、その後増築によってコンクリート非破壊の関係や環境部門の分析ができるようになったので、営業の範囲は非常に広がって、現在、非常に忙しく動いている試験センターとなっております。

また、去年の暮れに環境計量証明事業所としての取得をしておりますので、さらにブランド力が上がってきたのではないのかなと思っております。

西日本試験センターだけではなくて、本社のある中央試験センターにおいても、高性能なICPバスなどを入れておりますので、非常に精度が高くなったということと、キャパシティも高くなって効率化も図れているということであります。

3つ目としては、新規事業としてロードスをスタートさせております。去年(2017年)の7月にプレスリリースしていますが、ロードスは、内閣府が始めた戦略的イノベーション創造プログラムの中の1つとしてスタートしているわけです。

当社はインフラの維持管理に対して、とくに橋梁部分、橋の部分の劣化を、今までのような定性的な、かつ人海戦術でコストのかかる手法ではなくて、もっと可視化できないかということで、結果として去年の7月、高速で3Dレーダーを使ってデータを取り、そのデータを瞬時に(可視化)するプログラムを作りあげました。

去年プレスリリースさせていただいたんですけども、その後、半年少し経っておりますので、状況について後ほど話をさせていただきます。

大型プロジェクトによる受注拡大

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ここからは、今年、そして中期的な事業戦略、そして成長イメージの話になります。

まず1つ目として、(会社)スタート時点からコア事業となっている3つの事業、土質・地質と非破壊、そして環境部門の事業があるんですけれども、まだまだこの事業も成長すると思っております。

ここに、今すでに動いている大きなプロジェクトを載せています。先ほど岩手と熊本に支店を開設したというのは、東北の復興と熊本復興に関わる部分もあります。まだまだ復興が決して進んでいるという状況ではなくて、とくに岩手県の北部の久慈のあたりは、まだまだ復興が遅れています。

これから久慈周辺の復興道路が、3年ぐらいかけてスタートするところです。福島の常磐自動車道の4車線化も、3年ぐらいかけて進んでいく予定です。ですから東北においては、復興の部分でかなりまだまだ、忙しい状況が続くと我々は見ています。

熊本については、去年、確かこの説明会のときに「砂防ダムの仕事があるんですよ」という話をしたと思うんですが、半年遅れております。いろいろな事情があって半年遅れているんですけれども、やっと去年の暮れからスタートしております。

40基ぐらいの砂防ダムを作るのですが、当社は、すでに6基・7基ぐらいの受注をしております。今年いっぱいかけて、阿蘇周辺の砂防ダムの工事が、大変繁忙な状況になるのは間違いないと思っております。

東京オリンピックに関しても、先ほど元請けの受注をすることができているという話をしました。2月・3月に指名を受けられる物件・案件が、かなり出てきております。当然それは指名を受けないと入札はできないんですけれども、今月から来月にかけて何件か指名を受けて、受注を拡大していきます。

同時に関東圏は、非常に忙しい状況が続いております。当社としては東京に本社を出したことが功を奏しているのではないかなと思っております。リニア新幹線も去年の暮れ、いろいろ騒がせた部分もありますけれども、当社も本体工事の中で仕事をしております。

南アルプストンネル工事の長野工区であったり、中央アルプストンネルの松川工区とか山口工区があるんですけども、そういった工区に関わらせていただいていると同時に、こういったリニアの山岳部のトンネルになりますので、そこに入っていくまでの工事用道路が大変に今忙しいんです。

何本も作りながら、本体工事のところまでたどり着くための道路です。リニアは2027年まで、これから10年間、受注が拡大してくる可能性があると思っております。

北陸新幹線の延伸は、この間大変な大雪で、当社の現場も完全に止まってしまいましたが、金沢から敦賀までスタートしたばかりです。下部工といって、ちょうど足を作っているところです。北陸新幹線は基本的に全部高架橋になりますので、非破壊(検査)や足を支える地盤の地質調査というのも主力になると思います。

数年から10年単位でこういったプロジェクトが動いています。確実に当社のコア事業を受注拡大ができると考えています。

ラボラトリーの充実化

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ラボの充実化です。

先ほども西日本試験センターの第2期工事で引き出しが非常に広がった、大きくなったという話をしましたが、今年は西ではなくて東側の試験センターの新しい建設を、スタートさせています。

東日本試験センターは、当然震災後、復興のために我々は乗り込んだわけですけれども、スペース的にも比較的小さなまだラボでした。

まだ賃貸で仕事をしていますので、使いやすさで言うと、自由度が非常に少ないということがあります。そういったこともあって、近隣に土地を探していたんですけれども、今事務所がある約5分くらいのところに、非常にいい土地がありました。そこを去年(2017年)に購入して、この1月に工事のスタートをしているということです。今、2月半ばくらいになっていますので、ちょうど基礎工事が始まっているという段階です。

当社は試験室を基本的に「見える化」しています。我々がまだ若い時代は、試験室やラボはあまり他に見せるものではないということで、部外者は入れなかったんですけれども、当社はそういったことではなく、今はもう、見ていただく試験室にしています。ですから、ここの設計においても見える化とするために、見学通路をしっかりと設けています。

それによって地元の学生さん方が社会科見学したり、見学したいという企業のみなさん、関心がある投資家のみなさんなどに見ていただけます。

また昨今、少子化で学生がなかなか取りにくい中で、やはりこういうところを見ていただいて、関心のある学生にはどんどん見てくださいというためにも使えるラボとして、今工事が進められています。

今年9月に竣工予定になりますので、最後10月・11月・12月あたりには、一部試験室もスタートできるのではないかなと考えています。

ロードス

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「ロードス」です。

先ほどお話したように高速でデータを取ることができ、取ったデータを特殊なアルゴリズムを使って解析をするということで、「ロードス」のシステムにデータとして、地図上に保管します。それがどんどんどんどん集まってくると、ビッグデータになるというのがこの仕組みになります。

劣化というのは、年数がたてば進行してくる可能性がありますので、例えば定期的に走ることによって、去年・一昨年とどう変わっていたのかや、劣化度の進行が早いところに対して早急に手当をしていこうということが、見て取れるということです。

去年7月にご説明したときは、橋梁の床版や道路の舗装の内部の異常度というのが、特殊アルゴリズムによって瞬時に解析できるようになっていました。その後、AIを使って路面下の空洞であったり、埋設物であったり、ひび割れの解析もAIによってできるようになったということです。

今春より段階的にサービスを提供していくのですが、当然ソフトの開発は1回で100パーセントになるということはないんです。空洞などのデータを勉強させながら、少しずつ精度を上げていくということになります。その教材も当然必要になってくるということです。

今、教材を集めながら、勉強させている最中です。橋梁床版や舗装内部の異常の検出はAIではなく、特殊アルゴリズムを使っていますので基本的にもう解析ができるという状況で、今段階的に春からサービスを提供していくということです。

表面のわだち割れは、今ソフトを開発しているところです。ですから、春ぐらいに開発が終わって、順次データとして取り込んだものを使って解析しています。

1回走れば、床版の異常度を調べたければ床版の異常度が調べられるし、空洞を調べようと思ったら空洞を調べるということになります。そういったものが順次このデータとして、地図上にインプットされていくという流れになります。

ビジネスモデル

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これをどうやってビジネスにしていくのかです。

ビッグデータとしていくわけですけれども、日本にはかなりの道路がありますので、全部のデータを取るというのは大変な労力が要ります。当然、当社でも3Dレーダーは持っていますけれども、それだけで走ってもきりがない。ですから、そこにパートナー企業を入れて、3Dレーダーを付けていただいて、データを全部集めます。

道路を走るパトロール車みたいなのが(スライドに)載っていますけれども、例えばそういったものや、バス会社とかタクシー会社と契約をして、そこに3Dレーダーを付けてもらい、走れば走っただけ、データが我々に届くというようなことをやっていきたいと考えています。

実際にもうパートナーになっていただけるというところも見つかってきています。それを増やしつつ、データをどんどん集めていくということをやっていきたいと思っています。

それをどうやって販売していくのかというと、当然、我々も営業をかけていきますが、やはり道路管理をしている自治体が、このデータをほしいと思っていますので、自治体向けにソフト販売をしている企業さんに代理店になっていただきます。これももう一部、話は進めています。

自社のソフトを売るのと同時に、この「ロードス」を売っていただくということです。我々は自治体とは近い関係にありませんので、自治体専門にソフトを販売している企業さんに対して代理店になっていただいて、営業展開していただくということです。

我々はどういったところに営業するのかというと、先ほど動画でもありましたけれども軌道、線路上のデータも解析できますので、JR関連とか私鉄関連であるとか、メトロとかを考えています。

また道路だけではなくて、例えば空港とか公安施設といったところに我々が直接に営業をかけて、仕事にするという流れを作ることによって、ビジネスモデルができあがると考えています。これも春に向けてパートナーがもう見つかってきていますし、代理店もお願いしているので、順次スタートできると考えています。

ラボコネ

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もう1つ始めようとしている新規事業として、「ラボコネ」があります。

我々の業界は以前から現場でものづくりをしているわけです。そうすると工場で作った製品を現場に入れる場合は、しっかりと検査をされて強度が確認できます。しかし、現場でのものづくり、例えば生コンを打つ、コンクリートにする場合に、「ちゃんと当初の強度になっていますか」とか「土の補強工事をすると言いましたけれども、土が悪いので添加剤を入れて固めました、でも添加した土が必要な強度になっていますか」ということは、誰もわかりません。工場であれば生産するときに強度を確かめて、確認して出荷しますのでいいですけれども、現場で作るものというのは確認ができないですから、現場で確認せざるを得ないんです。

ですから、現場で例えば生コンが固まってコンクリートになったときに、抜き取りで、我々のような試験室に持ってくると仕組みが以前からあります。どこでチェックするかというと、我々のような試験室で固まったコンクリートなり土をチェックします。

発注者であったり、その業務を委託した、請け負った業者の誰かが試験室まで来て強度を確認します。強度を確認して、「OKでした。じゃあ次の工程に進みましょう」ということをずっと長くやってきているのですが、試験室が遠い場合もあります。

例えば新潟から来ていただいたりとか、我々が逆に遠くにいく場合もあります。半日も1日もかけて、この試験を見に行かなきゃいけないということを、今でも続けています。

それをこの「ラボコネ」を使って、タブレットで机上で発注者が我々の試験しているところをリアルタイムで見て、検査をするということをやっていこうということです。

今、試行の段階で、無料で提供しています。これを将来的には有料化していこうということです。それと同時に、逆に、現場から当社の技術者に対して「構造物作ったんだけれども、これ大丈夫かな?」と言った仕組みも考えています。

例えば、ひびが入っていたりとか、ちょっと問題があるような箇所があったときに、それを評価してほしいという仕事です。我々も、ついこの間、盛岡まで1日かけて技術者が行って、1時間くらい見て帰ってきました。すごいコストがかかって、無駄なことをやっているんです。

それしか方法がないので現地に行くんですけれども、それを例えばiPadで、現地にいる方にその場所を動画で映していただいて、我々がタブレットで現地を見て、そこで評価し、評価書をデータとして送るというようなことも始めております。

そういったことによって、お互いに非常にコストを抑えて、効率のいい仕事ができるというシステムができあがります。これも今年度中になんらかのかたちで、我々の方でシステム化したいと今思っているということです。

土壌浄化工事

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事業として浄化工事というのがあるのですけれども、我々は今まで踏み込んできませんでした。

やはり、試験所という立場で、そこから踏み込んでいかなかったということです。

しかしながら、分析までして、解析をして、「汚染されていますねと、浄化した方がいいですよ、いろんな方法で浄化できますよ」と提案したのなら、なぜ工事をしてくれないのか、というお客様が非常に多くなってきていますす。

というのは、汚染された土地というのはネガティブな情報です。たくさんの方に知られたくないので、できれば1人の方に調査をしてもらって最後までやっていただければ、当然工期も短くて済みますし、情報も漏洩しません。

そういう意味で、我々は早い段階で情報を知っているにもかかわらず、浄化工事まで踏み込んでこなかったということがあります。

しかしながら、先ほどのクライアントさんからの要望があったりしたため、我々にもできる可能性があるのかということを2・3年くらい前からずっと探ってきました。

去年、一昨年、1年、2年前くらいからは、実際に工事も数件やりました。

ノウハウもできましたので、今年からワンストップで、川上で抑えた、川下まで全部いこうということで、浄化工事までを新しい事業として今年度スタートしたということです。

調査・分析というのは本当に細かな仕事で大変ではあるんですけれども、売上的に言うと、浄化工事と桁が1つ、異なります。

そうであれば、そこまで関わって、ワンストップで仕事をしていこうという流れを今作っています。本格的にこれからスタートさせるということで、専門家を長野から東京に呼び寄せて、東京で情報を収集しながら、浄化工事までをワンストップでやったりをしてきているということになります。

海外展開

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海外展開は前からお話ししているんですが、去年もいくつか海外に行き、少しずつ海外の状況がわかってきました。

そういった中で、もうそんなに時間はないと思っておりますので、タイミングを見て、近いうちには海外展開もしていければということを考えております。

成長イメージ

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成長イメージとしては、これから3年、東京オリンピックも3年後になるんですけれども、そこまで、コア事業を先ほどの大型プロジェクトも含めて拡大していきます。

同時に、ロードスをはじめ、ラボコネクト、土壌浄化の工事を新しい事業として、そこに売上としてまた上乗せしていきます。

海外展開がその上に乗っかってくるということで、これから3年、5年後には今の倍近い売上まで持っていこうと考えております。

以上、簡単ではありますけれども、当社の説明となります。

質疑応答:減益要因、ロードスの営業状況

質問者1:ありがとうございました。2つほどお願いします。1つは終わった期の業績なんですけど、残念ながら減益のようなんですが、もうちょっと詳しい要因を教えていただけますでしょうか?

あともう1つ、ロードスです。営業の進捗状況をお聞かせ願えますでしょうか? 

下平:減益につきましては、ロードスを開発を進めているんですけれども、当初ここまで、昨年度投資する予定ではなかったということが1つあります。

ですから、投資がかなり大きかったという部分と、去年計画していなかったいろんな設備投資も、計画よりもかなり早い段階で進めたのは、その一番大きな要因ではないのかなと思います。

ロードスにつきましては、今話を進めさせていただいたんですけれども、基本的にもうシステムは、ほぼできあがっています。

検証をする部分がまだ、時間をかけなければいけない部分もいくつかあるということです。というのは、どうしても検証にはどこかの道路を走らせていただかなきゃいけないんです。

試験所の裏にも一応模擬テストができる道は作ってあるのですけれども、あくまでもそれは模擬ですから。ただ、確実に検知しています。コンクリートの中に土砂化した状況を作ったりとか、空洞を作ったりとか、構造物を埋め込んだりすると、それはキャッチしています。

雨量の多いときにはっきりとしたデータが出るということもわかりましたので、ですから雨量がどのぐらいのときのデータかというのも、入れ込んでいることになります。

4月からは、去年お話ししていた床版と舗装の劣化については、提供できるようになると思います。その後、AIについては教材を含めて勉強させながら、4月以降段階的に提供できるようにしていきます。

質問者1:すいません。4月に、舗装の劣化ともう1つ、何を提供するんでしょうか。

下平:舗装の劣化と、床版の劣化です。橋の部分です。特殊アルゴリズムで、AIではないんです。AIには、「こういうものが空洞だよ」と勉強させます。

特殊アルゴリズムは、橋なら橋、舗装なら舗装の、走ったときに瞬時に基準となるところを作るということです。それに対して良いところ、悪いところを判断するというプログラムです。

あまり勉強させなくてもすぐに使えるようになるのが、橋梁であったり舗装です。舗装や橋梁はきちっと作ってますので、新しければ基準になるわけです。それを瞬時に判断して、そこから悪いところが色分けされていくというソフトであると聞いております。

質問者1:ありがとうございました。

質疑応答:ロードスの販売先、原価率上昇の要因

質問者2:ご説明ありがとうございました。ロードスについてもう少し教えていただきたいんですけれども、ビジネスモデルとしては自治体にデータを売り込んでいくということだと思うんですが、今後の展開として、自治体を数多く拾っていくということなのでしょうか。

あと例えば、コンセッションで有料道路の管理ですとか空港管理ですとか、そういったところで民間が入ってきている道路があると思うのですが、そういうところでやはり、原価をなるべく抑えている方向に進んでいくと思います。そういったところに対して売り込んでいくとか、今後の販売戦略の拡大方向、何かお考えがあれば教えてください。

下平:当然、今おっしゃられていることもすでに考えております。ただ我々の規模で、そこにすぐに参入できるかどうかということも考えなければいけないところで、段階的に反応を見ながら、先ほどお話ししたように空港であったりとか港湾の構造物もありますので、徐々にそういった展開をしていきながら、大きなところに入り込んでいきます。

将来的には、それを海外に持って行って、ということも考えられると思います。海外に行ったときに、日本の企業が作ったところは非常に良いけれども、そうでない国が作ったところは非常に劣化が激しかったりとか壊れやすいという状況がありますので、そういったところに対して持ち込んでデータを提供することができれば、海外への展開もできるのではないのかなと思っています。

ただ自治体は、先ほど話したように、我々あまり自治体との深いつながりはありませんので、そこに強い企業さんと代理店契約を結ぶところからスタートしていきたいと考えております。

質問者2:技術面として、今後の展開で地中埋設物です。例えば上下水道管ですとかそういったものまで、調べられるようになるものなのでしょうか?

下平:当然そのへんの技術的なことは、ちょっと私もわからないんですけれども、浅い部分であればかなり可能性はあると思います。この「ロードス」も深いところまでどこまで見れるのかというと、2メートルとか3メートルくらいが今は限界になります。でもその範囲内にある下水管とかであればキャッチもします。

キャッチした内容が劣化しているかどうかというのも、調べることは可能になってくるのではないかと思います。他の会社さんでは7メートル、8メートルまで調べられますよ、という機械もあるんですけれども、精度はどうなのかという問題ですよね。やはりそういったところも、精度がまだ上がっていないのと、やはり技術者があくまで経験則で「これは空洞である」とか、「埋設物である」という判断をします。

我々は技術者の判断ではなくて、ソフトが解析するので、誰がやっても同じようなデータになります。そこは他の会社と今まだまだ差があるというところだと思います。

質問者2:もう1点、業績面についてお話をうかがいします。先ほどもご質問にありましたけれども、終わられた期が減益ということで、拝見しますと、たしかに、設備投資等で販管費が増えているというのはわかるんですが、原価率が上がっている状況かと思います。

この状況が先ほどの研究開発の部分なのか、それとも何か他に原価を押し上げるような要因があるのか教えてください。

もしくは、逆にこれだけ押し下げているような施策を打っていても、これが要因で上がってしまったとか、そういったところがあれば教えてください。

下平:おっしゃられたような部分もたしかにあります。

社内的な分析として、上場させていただいたおかげで、1件あたりの物件一つひとつがかなり大きくなっており、今までは例えば100万円単位だったのが、500万円とか1,000万円でした。そうすると我々が1,000万円、2,000万円の物件に対して、管理する手法というのは今まであまり持っていなかったところで、コストをかけてしまっていた。

管理手法を学んでいきましたので、それをしっかり管理することができれば、少し落ちた部分の利益率もまた元に戻して、それ以上に上げるということができると思っています。ぜひ今期楽しみにしていただければと思います。

質問者2:結果的に単価が上がってくると、なんとなく原価率良くなっていくんではないかなと思ってしまいますが、規模が大きくなればなるほど、それに伴う、例えば研究開発費みたいなのが増えていってしまうとか、そういうことなんでしょうか?

下平:ということではなくて、単純に研究開発する以外の部分の物件ということです。

ゼネコンから「この調査を1物件1,000万円で受けてください」といわれるようなケースで、我々も大きな物件というのは慣れていなかったので、積算の仕方が甘くなっていました。1,000万円で200万円の利益が残ると思ったら、現場で動く時間がかかってしまって、丸々それを使ってしまったりということです。

下請けさんにも、日数がかかるというのが見込めなかったので、500万円で契約したけれども余分にかかったから、追加で下請け業者さんももう少し欲しいということになって、そういった部分での上乗せです。当初よりも誤算が大きかったということです。それも当然、見直しをしていますので、チェックをかけながら採算に合う物件、1,000万円でも2,000万円でも採算に合う物件を、しっかり取っていこうということで、積算精度を上げています。今期に入ってからすでに1ヶ月、2ヶ月たっていますけれども、確実には回収できていると思います。

質問者2:すみません、長くなって申し訳ないんですけれども、今期のご計画も若干ながら原価率が上がってしまう計画です。それは今の施策の過渡期でもあるので、まだ若干原価率が上がってしまうけれども、これはどんどん解消していくというような解釈でよろしいでしょうか?

下平:そうですね。はい、そう理解していただければと思います。

質問者2:わかりました。どうもありがとうございました。

下平:ありがとうございます。

成長率の想定

質問者3:成長イメージというのは、売上の成長イメージをたぶん想定されているかと思うんですが、だいたいどれくらいの成長率を想定しているかということが1点です。

2点目は利益の成長イメージです。新規事業「ロードス」等で、また新規の投資みたいなものが発生すると思うのですが、売上の成長イメージと利益の成長イメージと、どういうバランスなのか、ほぼ同じような比率なのか、あるいは利益の成長イメージは上回るのか、あるいは下回るのか、要因と数字のイメージを教えていただければと思います。

下平:成長イメージとしては、5年後くらいで倍くらいの数字にはなっていると思います。利益率については、「ロードス」は非常に利益率が高いんです。

ロードスがスタートする前の、物理探索の3Dレーダーでデータを取ったものを人間が解析するというものですと、すごく利益が高かったんです。ただ、ソフトを入れたのが去年なので、かなりコストがかかってしまいました。それが今、うまくでき上がってきていますので、受注がしっかりとできれば土質とか非破壊・環境に比べると「ロードス」は利益率は高いと思います。一定の維持費はかかると思うんですけれども。現在見込んでいるのは、数年後に売上に対しての10パーセントくらいの利益を目標に、進めているところであります。

質問者3:10パーセントというのは営業利益率ということですか。

下平:そうですね。

質問者3:どうもありがとうございます。

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