2018年2月21日に日本証券アナリスト協会で開催された、株式会社日本アクア平成29年12月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料
スピーカー:株式会社日本アクア 代表取締役社長 中村文隆 氏
平成29年12月期決算説明会
中村文隆氏(以下、中村):ただいまご紹介いただきました、日本アクアの中村です。よろしくお願いします。本日はご多用中にも関わらず、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
ごあいさつ
この度弊社は、(平成30年)2月9日に、株式会社東京証券取引所にご承認を受け、きたる3月1日に、東京証券取引所マザーズ市場から東京証券取引所市場第一部へと、市場変更されることになりました。
これもひとえに、株主のみなさま方、お取引先さまをはじめとした関係者各位のみなさま方のご支援の賜物と、深く感謝申し上げます。
今後も引き続き、業容の拡大と企業価値の向上を図り、社会に貢献できるよう努めてまいります。
引き続き、ご支援とご指導をよろしくお願い申し上げます。
原料価格の市況の概要①
それでは、弊社の平成29年12月期の決算概要及び、平成30年12月期の事業戦略について、ご説明申し上げます。
まず、昨年(平成29年)は少し、経常利益が伸び悩んだところがあるのですが、そのあたりをご説明する前に、(弊社製品が)どのような原料で造られているかということを、見ていただきたいです。
こちらが、「イソシアネート」という原料です。ベニヤを作るボンド、構造用合板を作るボンド、またはフローリングを貼る接着剤は、ほとんどこのようなもの、イソシアネートが原料となっております。
これが昨年、かなり高騰いたしまして、収益を若干悪化させたのですが、この(イソシアネートとポリオールの)2種類の原料から(弊社の商材に)なっております。
(ポリオールを見せて)これを混ぜると、発泡するという商材です。私もやったことがあるのですが、これを振ります。これは「ポリオール」という原料でございます。これを攪拌させると、発熱してまいります。
発熱して、このようなかたちで発泡したものが、(水で発泡する断熱材の)「アクアフォーム」というものになります。これはすぐに固まり、このような感じで、住宅の断熱材として吹き付けするという工法です。
このイソシアネートが、かなり供給不足になっております。
昨年(平成29年)の10月からなのですが、中国がかなりのシェアを持っているのですが、この中国企業で環境問題がございました。そこで国からストップがかかってしまって、半分の量しか出荷できない状態になりました。
(もともと)420万トンの供給があったのですが、だいたい190万トンくらい供給できなくなったということで、市場にパニックが起こりました。フローリングのボンドもなく、ベニヤも作れないというところの手前まで追い込まれました。当社も半分はこの原料(イソシアネート)ですので、若干収益が下がったのですね。
ただ、今年(平成30年)の第1四半期までには、ようやく(中国の企業が)修理しまして、環境問題対策を取り、改善しました。徐々に、原料が出るようになったのです。
もう1つは、昨年から言っていますとおり、サウジアラビアのDOWさんという会社があります。DOWさんの40万トンのプラントが、昨年の12月から少しずつ出始めて、今年の3月からは大量に出るというかたちになっております。
今年の供給量は(アジア生産能力全体で)480万トンありますので、3月から少しずつこの主原料が下がってきまして、下期には従来どおりに戻るのではないかという見通しになっています。
このようなところが、昨年10月にかなりのインパクトがありました。逆に東ソーさんなどは、日本の原料メーカーですので、「日本よりは、海外の方が高く売れる」ということで、収益を伸ばされたようです。
ですので、私どもは第2四半期くらいから徐々に下がってきて、収益が改善してきて、後半戦には間に合うというかたちで考えております。
原料価格の市況の概要②
次のページです。
ここが昨年上がったところなのですが、ベンゼンとMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)は連動しておりますので、このあたりが最高値になるかなというところですね。
(中国の事故の影響で)需給バランスが崩れているので、これは仕方がないのですが、だいたいひどいときで(通常の)3倍くらいに値段が上がってしまったので、とくに(平成29年)12月あたりの収益が、少し下がってしまったというところです。
平成29年12月期の業績
次にいきます。
平成29年の住宅着工戸数が96万4,000戸でありまして、前年の0.3パーセント減少しましたけれども、ほぼ横ばいでした。
これにより、私どもの売上高は180億5,200万円ということで、対前年で15.7パーセント(の増加)でした。
営業利益は13億1,300万円と(対前年で)6.4パーセント、減少しているというところになります。
大幅増収となった主な要因は、戸建住宅(向け断熱材)が好調だということと、建築物(向け断熱材)もほぼ数字どおりにいけたということが、売上がよかった(ことにつながった)と思います。
経常利益は14億1,900万円となって、対前年で1.1パーセントの増加ということになりました。
当期純利益は、9億4,100万円となりました。
平成29年12月期決算の概要①
次に、平成29年12月期決算の概要です。部門別売上高の増減について、ご説明します。
当社の売上高の部門を3つに分配して、2期を比較しております。部門の内訳は、木造戸建住宅向け断熱材、建築物向け断熱材、商品販売であります。
これらを棒グラフにしたものが、7ページの表です。
水色の戸建住宅部門の売上高は115億5,200万円、対前年で6パーセント増加しております。
緑色の商品販売部門の売上は、大きいものは認定施工店さんに機械を買っていただいているもので、施工力強化のために増やさなければいけないということで、37億8,400万円となり、対前年で79.9パーセント増加しております。
建築の受注も、今年はかなり取れておりますので、それを間に合わせるためには、やはり1年前から機械を仕込んでいかないと、職人さんが育てられませんので、このような理由から、かなり(売上が)上がっております。
平成29年12月期決算の概要②
次に、部門別の売上総利益の増減について、ご説明します。
売上高と同様に、部門を3部門に分解して、2期を比較しております。
原料価格の上昇の影響により、水色の戸建住宅部門の売上総利益は27億9,000万円となり、対前年で8.1パーセント減少しました。
赤色の建築部門の売上総利益は、5億2,600万円となり、(対前年で)25.5パーセント増加しました。
これは、他のメーカーから買っていたブレンド原料を、自社で内製化したことが功を奏しております。木造よりも建築の方が、利益がかなり上がっているというところになっております。
緑色の商品販売部門の売上総利益は、機械販売が好調だったものですから、10億円となりました。対前年で、75.7パーセント増加しました。
P/Lサマリー
P/Lです。当社の収益性について、損益計算書の様式でご説明します。
当事業年度の売上高と部門別売上高については、ご覧のとおり、主力の戸建住宅向け断熱材が、引き続き好調です。この背景には、住宅着工戸数はほぼ現状維持の状態でありますが、アクアフォームの需要が、以前にも増して高まっていることが要因です。
一方で、利益面は、売上総利益が対前年でマイナス1.9パーセントとなりました。これは先ほども言っておりますが、原料不足による高騰により、需給バランスが崩れまして、上がっているところです。
木造(戸建て住宅向け断熱材)において、対前年でマイナス5.9パーセントとなり、建築物(向け断熱材)はプラス3.3パーセント、その他(商品販売)ではプラス0.7パーセントとなりました。この状況は(平成30年の)第2四半期まで続くと思われますが、その後は回復すると考えております。
B/Sサマリー
続きまして、当社の財政状況に関してのご説明です。
当期末における総資産は128億632万円となり、前事業年度末に比べ、1.7パーセントの増加となっております。資産部門の増減要因についてですが、主に(平成29年)6月に竣工いたしました、埼玉の物流拠点兼営業所によるものであります。
次に、負債の部の増減要因ですが、これは主に短期借入金が、17億3,000万円増加したことによるものであります。
最後に、当事業年度末における純資産は55億854万円となり、前事業年度に比べ、17.3パーセントの減少となりました。この減少の主な要因は、自己株式の取得と配当によるものです。
CFサマリー
続きまして、キャッシュ・フローの状況についてご説明します。当期末における現金及び現金同等物は、19億7,638万円となりました。
営業活動におけるキャッシュ・フローは、営業活動による資金の増加が4億4,701万円となりました。これは主に、売上債権の増加が原因となっております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年と比較しますと、キャッシュアウトは縮小しております。主なものとしては、埼玉の物流拠点兼営業所の取得にかかる出資の、3億8,700万円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、5億4,764万円の減少となりました。
平成30年12月期の予算
続きまして、平成30年12月期の予算です。
平成30年12月期の通期損益予算は、お手もとの資料のとおり、経常利益率は7パーセントを計画しております。
売上高は、全体で10.8パーセントの増加。内訳は、戸建住宅向けが14パーセントの増加、建築物向けが25.8パーセントの増加、商品販売が9.7パーセントの減少を見込んでおります。
売上総利益は、前年より原価率がやや上昇すると想定し、23.5パーセントを見込んでおります。これは、上期において原料価格の高値維持が続くと考えられますが、下期以降は徐々に回復していくと考えていることによります。
営業利益は、対前年で8.1パーセントの増加を見込んでおります。
当期純利益は、8億9,100万円を計画しており、対前年で5.3パーセント減となる見通しです。
業績の推移(決算期毎)
それでは、当社の長期の業績推移をご覧いただきたいと思います。
平成22年12月期(の約30億円)から、7年後の平成29年12月期には(売上高が)180億円となりまして、だいたい6倍に売上が上昇しております。当社は、持続的な成長と長期的な企業価値を実現するため、当社の企業理念である「人と地球に優しい住環境を創ることで社会に貢献」をモットーに、今後も経営を推し進めてまいりたいと思います。
事業戦略
事業戦略にまいります。当社は他社と何が違うかと言いますと、商品開発・原料製造・仕入れから工事・施工までを、すべて1社で、一気通貫にできる。これが、私どもの戦略です。
昨年末に、私どもよりも2番目にスプレーの原料を供給している会社が買収されたことを、みなさんはご存じだと思います。やはり、原料を作っているだけでは、儲からないわけなのです。
(原料製造だけではなく)工事もすべて一気通貫でやるから、(儲かるかたちに)できるわけです。ですので、業界では、私どもが今はナンバーワンです。他社とは圧倒的にこの戦略が違うと思っていただければいいのではないかと思います。
(事業戦略の図の)最後に「ブローイングリサイクル」とあります。(開発・製造・施工だけではなく)しかも、吹付した原料も最後までリサイクルできる。これも日本建設業連合会に認めていただきまして、建築は、お客様より見積もり依頼がくる状況です。これは、後でご説明しますけれども、当社しかできないことです。このような事業戦略です。
商品開発【テクニカルセンターの増床】
商品開発に関しては、今年はテクニカルセンターの床面積を倍増いたしまして、新規に注入パネルの原料も参入していきたいと考えております。横浜にございます。
テクニカルセンターについて①
次は、(テクニカルセンターで)何をやっているかということです。まずは、実験室です。ウレタンフォームの性能を測ったり、使用量が少なくてももっと発泡する原料を、ミキシングして新しく開発したりしている実験室です。
テクニカルセンターについて②
これは、環境試験室です。(設定温度を)マイナス25度から35度にまでできる施設がございます。これも、日本ではうちと北方建築総合研究所しか持っていない施設です。このようなものを作って、(さまざまな)環境にどのようなかたちで変化するかを実験・研究しているところです。
テクニカルセンターについて③
次は、測定室です。現場からランダムにホームサンプルを採取してきて、「しっかり断熱性能が出ているのか」「性能に変わりがないか」ということを、この実験室で研究しています。
このウレタンフォームだけで、10名弱の研究員がいるのですが、そのようなメーカーさんは(他には)ほとんどないのではないかなと思います。
新商品の開発(現場の意見をカタチにする)
新商品の開発です。かなり採用しているところが多くなったので、「ウレタンを吹くと、白蟻が食べるのではないか?」みたいなお声をいただくものですから、「それならば、(白蟻が)食べないようにしよう」ということで、防蟻剤です。これを注入した、新しいウレタンフォーム(「アクアフォーム NEO+TP」「アクアフォーム+TP」)も開発いたしました。
まずはグループ会社に採用していただいています。防蟻フォーム費用はかなり高いのですが、南から徐々に、このようなものも売れてくるのではないかなと考えております。
もう1つのウレタンの欠点として、「燃えるのではないか?」というお客さまが、やはりいらっしゃいます。繊維系とは違い不燃ではありませんので、燃焼はするのですが、自己消火性があります。「(そうは言っても)やはり燃えるので」ということで、不燃化への取り組みも図って、今は商品化に向けて努力しているところです。
原料製造(ブレンドから品質管理まで)
次に行きます。私どもファブレスの会社ですので、原料をミキシングする工場は一切持っておりません。今は全国の7ヶ所で、海外からダイレクトで買ってきた原料を、そのプラント工場に納めて、すべて買い取るという方式をしています。
このようなことでは、なかなかJISマーク表示製品認証は取れなかったのですが……これもたぶん、日本で初かな? JISマーク表示製品認証も、取れたところです。この写真は、一昨年のものです。
このように、しっかりと原料を作っています。
販売ネットワーク(断熱メーカー随一の営業所数)
販売ネットワークです。物流拠点(の投資は)埼玉が最終になるのですが、今回で投資もほぼ終わりました。上場したことによって、物流拠点も6ヶ所完成することができました。
ほぼ投資も終わりましたので、このようなかたちで、今はやっています。「なぜ物流拠点がいるのか?」と言うと、(中国で事故が起きたように)やはり原料が急になくなるものですから、(それに備えた)ストックポイントや、営業所になっているということです。
これが完成したので、日本(での事業)は回るのではないかなと思っています。
施工ネットワーク(断熱業界最大規模)
もう1つは、施工ネットワークです。これもたぶん、ウレタンスプレーだけで(断熱業界では)世界でNo.1だと思います。451台(の施工機械を)持っています。40ヶ所の拠点をブロックに分けて、今は315社の認定施工店さん(がいらっしゃいます)。
この315社の認定施工店さんは、我々の仕事しかしていません。すべてが私どもの仕事で、営業が取ってきた仕事を、こちらに流しているというところです。半社員みたいなものなのですが。
だいたい全国で、2,000人弱が働いていると思っていただければと思います。
見積→受発注→現場管理をシステム管理
次に行きます。(我々は)もう少しIT化しなければならないということで、今は本当に簡素化・IT化しました。(今までは紙だった)現場の指示書・地図なども、QRコードを読んだら下請けさんが現場に入って、すぐに写真も撮って、検査もできて……というシステムに変えました。これが、みなさんにかなりの評価をいただいています。
このようなかたちで、会社もIT化しています。今までは紙ベースだったのですけれど、すべて紙をなくしています。
品質管理(原材料の品質と現場品質の確保)
あと、品質管理です。これも日本で初だと思うのですが、アクアフォームの「品質パトロールカー」というものを、全国にだいたい12、13台回しています。今は5万棟弱(の施工を)やっているものですから、ランダムに現場に行って、品質チェックをしているところです。
これを導入してから、かなりクレームも減りましたので、どんどんこのようなことも拡充してやっていきたいなと考えています。
大手ゼネコンの産廃再資源化モデル構築
次は、環境問題です。ここが、今年の肝なのですが。
こちらにあるのが、「アクアブロー」です。このアクアフォームの(施工時に発生した)粉なのですが。現場の端材をすべて集めます。そして、これを細かく粉砕させて、製品に変えます。これを屋根裏・天井裏に吹き込むということをやっています。これを、環境省にも認めていただきました。
(環境省による)産業廃棄物広域認定というものも、このウレタン(吹付)業界で初だと思うのですが、これも全国で卸していただいたところです。(建設現場で発生したアクアフォームの端材まで)完全にリサイクルができるというところです。
これを、日本建設業連合会に認めていただきました。断熱材のウレタン部門のスプレー部門は、私どもだけです。他のメーカーは、一切入れないと思います。
要するに(他のメーカーは)工事までしないので、リサイクルができません。(それに対して)私どもは工事までやっているものですから、このようなリサイクルも認めていただいたということで、かなり今年は、とくに建築業に追い風が来ているというところです。オリンピック特需も、今はかなりいただいているというところです。
アクアブローから始めるCSVの取り組み
次です。このようにアクアフォームでリサイクルをすることによって、(1年間で)ブナの木で(5,400本分)、だいたい4,713袋・2万3,310キログラムのCO2を削減できるということで、環境にも取り組んでいるメーカーだとお考えいただければ、よろしいのではないかなと思います。
木造戸建住宅向け断熱材事業
続きまして、営業戦略についてご説明いたします。
木造戸建住宅向け断熱材事業は、好調です。やはり「ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」……2020年までに、標準的な新築住宅の50パーセントまでの住宅はゼロエネルギーにしますよという国からの指針が、もう出ています。
今はこれが、かなり加速しているというところです。ですので、木造戸建住宅向け断熱材事業は、問題なく伸びるのではないかと思います。
建築物向け断熱材事業
次は、建築物向け断熱材事業の売上です。(平成30年の売上高の見込みは)34億円となっています。(実際は)もう少しいくと思うのですが、(対前年で)25.8パーセント増です。これは、オリンピック特需もあります。
(それだけではなく)やはり今までは、スーパーゼネコンさんも大手ゼネコンさんも、地元のウレタン工事屋さんを使っていました。やはりリサイクル(という観点はあるものの)現場からごみを持ち出すということは、だめだったのです。
(そこを)日本アクアであればできるということで、スーパーゼネコンさん・大手ゼネコンさんから引き合いがあり、今は契約するところです。契約させていただき、リサイクルもさせていただくということで、今年はかなり、売上が上がると思います。
リフォーム断熱事業(商品販売)
次は、リフォーム断熱事業部門です。リフォーム部門も好調でございまして、今は100台くらいこの「リフォームカー」というものが担っています。
やはり、日本の住宅のうち、もう20~30年前に建てた住宅は、断熱をやっていないものとかがあるわけです。だいたい「(家の中にいても)冬は寒い」というのは、床下の断熱材が落ちてしまっているからです。
ですので、このリフォームカーから出てきた業者が床下に潜って、これを吹付けするということです。
今はDIYでも、けっこうサンプルを置いていただき、受注もいただいています。とくに、今年の冬は寒いものですから、このような(家の中にいるのに寒いという)依頼がかなり多いです。このようなものも、受注をいただいています。
交通事故で3,694人(亡くなったところ)、ヒートショックでは1万9,000人も亡くなっているわけですので、日本の今までの住宅が、どれだけだめだったのかということです。
今までの住宅は、断熱材を入れただけで「断熱をした」というものでした。これを私どもは変えたいということで、このようなものをやっています。
産業資材事業(商品販売)
産業資材事業です。私どもが使う副資材などを、ホームセンターで販売しています。このようなものも含め、今年(平成30年)は25億円の売上を見込んでいるというところです。
海外への展開
次は、海外への展開です。今はフィリピンの労働者の方・研修の方が、70名弱います。全国の認定施工店を合わせれば、もう何百人という数です。何千人には、いかないと思うのですが。そのような方々に、働いていただいています。
私どものAAA(トリプルエー)という子会社が、フィリピンのマカティとダバオにございます。
今のところは、データセンターの役割をやっていただいていますけれども、今はホワイトカラーの人材も東京に数名いますので、徐々にダイバーシティ化していきたいなと思います。
やはり、海外展開をしたいものですから、東南アジアを狙っています。石膏ボードのメーカーさんも、「(会社を)ジャカルタに出した」ということで、この間お話しさせていただきました。
東南アジアでも(天井を指して)やはり天井を、ようやくこのような石膏ボードでやるようになりました。石膏ボードがあるということは、断熱しなければならない。「内断熱」ということです。
僕は、東南アジアにチャンスがあると思っています。ちょうど、ベテランのフィリピンの労働者の方もいますので、今年は海外展開もしていきたいなと思っています。
中期計画
中期計画です。(売上高は)今年(平成30年)が200億円、来年(平成31年)が216億円、再来年(平成32年)が235億円というかたちで推移して、早く300億円は突破したいなと考えています。
会社概要
会社の概要は、この資料のとおりになっています。
それでは、今日はどうもありがとうございました。ご説明を終わります。
質疑応答:原料の価格動向について
質問者1:原料の価格の動向について、教えてください。今年は(原料価格が)下がってくるというお話がありました。来期・再来期を考えた場合、市場全体の需要の高まりや、あるいは供給能力を増やされるメーカーさんがいるかもしれないのですが。
そのあたりの状況を考えると、今後はどのように推移していくかというところを、教えてください。
中村:サウジアラビアに、サダラ工場というものがあるのですが、その工場がまだフル稼働していないものですから、それ(の供給)が40万トンあります。また、「Huntsman社が、中国で10万トン(供給できる工場を)立ち上げる」という計画も、春くらいに新聞で発表されております。
若干供給過多になるのが、年末から春くらいになります。来年はとくに(原料に関しては)よろしいのではないかなと思います。
質問者1:来年以降などを見通すのは、そもそも不可能なのでしょうか?
中村:難しい……そうですね。ウレタンを部品として使用する「自動車が絶好調」という状況がありますので、そのあたりは難しいのですが。それにしても、それほど気にしていないです。
(原料の)量が、私どもは(他の)日本のメーカーさんの倍以上ありますので、私ども(のところまで)には、それほど上げてこられないと思っています。
ただ、今回は(中国で)事故がありましたので。もちろん、ヨーロッパのドイツでも(以前)事故がありまして、それにより、イソシアネートがかなり供給不足になってしまいました。
これが原因で、原油(価格)も若干上がってはいるのですが、問題は、事故があったということです。これが直ったというかたちになっておりますので、今年はそれほど問題がないと、私は思っております。来年は、OKだと思います。
質疑応答:利益率を上場時の水準に戻せるのか?
質問者1:あと、御社の利益率について、教えてください。今後は9パーセントくらいに回復していくというお話がある中でしたが、上場の時は、もっと高い目線をお持ちでした。
10パーセント、12パーセント、14パーセント……のようなかたちで、営業利益率が(年々)上がっていくという方向性だったと思います。いろいろな状況を考えた場合、今後そのような水準になることは、可能になるのでしょうか?
それとも、いろいろな先行投資などをする関係で、そのような水準にすることは、そもそも難しいのでしょうか?
中村:中期計画では(利益率は)7パーセントから、少しずつ上げていっています。建築部門の利益率が、かなり上がっております。売上は、今年・来年・再来年と上がっていきますので、私は前(の水準)に戻るのではないかと思っています。
原料(価格)は、私どもだけが上がっているわけではなくて。私どものライバルというと、地元の工事会社さんですね。そちらもかなり(原料価格が)上がっているわけです。
このため、値上げしているわけです。(この状況下でも)僕は、ある程度我慢してやっていき、市場を取りにいきたいなと思っております。
そのような考えで、今は経営しているところです。
質問者1:最後に、もう1点教えてください。イソシアネートと、もう1つの原料(ポリオール)の需要と供給の関係は、どのように考えておられるのでしょうか?
中村:イソシアネートとポリオールなのですが、ポリオールは全世界的にあるものですので、よほど原油価格が……倍になるほど高騰しない限りは、問題ないと思います。
今年も、(原油価格は)別にそれほど上がっていないので。(多少は)上がったり下がったりするのですが。問題は、イソシアネートの事故だと思っていただければ、よろしいのではないかと思います。
質問者1:わかりました、ありがとうございます。
中村:ありがとうございます。
質疑応答:産業資材事業の売上計画の内訳は?
質問者2:いちよし経済研究所のナガタです。2点お伺いします。
スライドの29ページ目に、建築物向け断熱材事業の数字が記載されています。実績及び受注残が、(平成29年12月で)37億4,500万円とあります。
当初の(平成30年の年度末売上高の)計画が確か34億円ということで、こちらのスライドにも示していただいているのですが、この差はどのようなものでしょうか? けっこう長いものを、受注残としてお持ちと考えればよろしいでしょうか?
中村:そうですね。ゼネコンさんが職人不足ですので、受注残が若干ずれるかもしれないと予測して、(年度末売上高計画を)34億円にしているところです。今年はあまりずれないと思うのですが、そのようなことを見込んだ数字です。
質問者2:わかりました。2点目なのですが、その他(商品販売部門の産業資材事業)の売上高を、今期は25億円の前提で見られています。この中身を、もう少し数字を交えて教えていただければ、ありがたいです。
中村:木造建築で使わなければいけない、壁に貼る防水シートというものがあります。これのシルバータイプのもの(「アクアシルバーウォールライト」)を、当社が日本で一番供給させていただいております。これがかなりの勢いで、アクアフォームと一緒に伸びております。
(アクアシルバーウォールライトの実物を見せて)この壁のシートです。これ(のような防水シート)を、木造住宅は(壁に)付けなければだめなのです。
このシルバータイプは、私ども日本アクアが展開しているものなのですが、おかげさまで(防水シートでは)私たちに、圧倒的なシェアがあるものですから、ここがかなり伸びているというところです。
あとは、このような1液性ハンドタイプです。木造住宅は吹き付けをしますので、どうしても(硬化する前に)剥がしてしまう大工さんがいらっしゃるものですから、(便利だということで)これもかなり、ホームセンターで売れ行きは上がっているというところです。
また、住宅に関連した高気密・高断熱用の副資材も全部取り扱っておりますので、アクアフォームが施工されれば、このような副資材も自ずと出荷できるというところです。アクアフォームを(現時点で)採用していただけていない方にも、このようなシルバータイプのものを、購入していただいています。
まだ(施工件数が)5万棟弱くらいですから、木造住宅新築で言えば、10パーセントくらいのシェアとなっています。(副資材は)それよりも、かなり購入していただいているところです。
(施工件数が)まだまだ5万棟ですので、まだまだ伸びしろはあるとお考えいただければ、よろしいのではないかと思います。
質問者2:わかりました、ありがとうございます。