2024年度の年金額が1月に公表され、2023年度に比べて2.7%の増額となりました。
「会社員の夫と専業主婦の妻」という厚生年金の標準夫婦では、2024年4月分から年金受給額が月23万円超へ。ただ年金は前月までの2カ月分の年金を、2カ月に1回偶数月の15日(土日祝日の場合は直前の平日)に受け取るため、2024年6月14日から受け取ることができます。
物価高の中での年金の増額は嬉しいところですが、一方で年金から社会保険料や税金が引かれた金額を一般的には受け取ります。
今回は厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」をもとに、2024年4月からの年金額と天引きについて詳しくみていきましょう。
1. 【2024年4月分から】厚生年金の標準夫婦「月23万円超」へ
まずは厚生労働省より公表された、2024年度最新の年金額の例を見てみましょう。
1.1 2024年度の年金額の例(国民年金と厚生年金)月額
- 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
- 厚生年金※:23万483円(+6001円)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。
2024年度は国民年金で見ると月額で+1750円、厚生年金の標準夫婦は23万円を超え、+6001円の増額となりました。
厚生年金の標準夫婦は年間にすると7万2012円の増額です。
ちなみに厚生年金の標準夫婦は「会社員の夫と専業主婦の妻」が想定されおり、平均的な収入で試算されています。
上記は2024年度の年金額例ですが、現代シニアの平均的な年金受給額はいくらでしょうか。
2. 【厚生年金と国民年金】平均年金月額はいくら?
参考までに、厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、現代シニアの平均的な年金額を見ていきましょう。
2.1 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
2.2 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
国民年金は5万6316円、厚生年金は14万3973円が平均的な受給額でした。
国民年金は一律の保険料を払うため男女差があまりありませんが、厚生年金は会社員や公務員などが収入に応じた保険料を支払うため、男女差が大きくなっています。