2024年1月より新NISA制度がスタートし、資産運用が注目を集めています。長生きの時代において、将来のお金への不安が高まっているのも資産運用が注目される理由でしょう。

男性で「厚生年金がひとりで月16万円は多い方ですか?」との相談を受けましたが、男性平均は16万3875円ですので平均並みと言えるでしょう。

ちなみに、年金の平均受給月額は男女全体で14万3973円です。いずれにしても、現役時代の収入と比べて多いと感じる方は少ないでしょう。

また、日本の年金制度は受給額にバラつきが出る仕組みのため、実際に16万円を受け取る方はどの程度いるのか気になるところです。

そこで今回は男性の平均受給額を受け取る方がどの程度いるのかを中心に、厚生年金について深堀していきます。

1. 公的年金の仕組みを押さえる。厚生年金と国民年金とは

日本の公的年金制度は、1階が国民年金、2階が厚生年金という2階建て構造になっています。

日本の年金制度のしくみ

日本の年金制度のしくみ図

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

前提として、もし1階部分の国民年金にしか加入していない方は、ひと月16万円の年金収入を目指すことができません。

まずは年金制度のしくみを押さえておきましょう。

1.1 国民年金(1階部分)

  • 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
  • 保険料は一律
  • 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 公務員やサラリーマンなどが加入する
  • 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
  • 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる


このように、個人によって加入する年金や納付期間が異なるため、将来の年金受給額には個人差があります。2024年1月19日には、厚生労働省から「2024年度の年金額の例」が公表されました。

こちらによると、国民年金(老齢基礎年金)の満額は月額6万8000円(昭和31年4月1日以前生まれの方は月額6万7808円)。

16万円とは程遠いことがわかります。

2. 2024度の年金額の例

年金額は毎年度改定されます。前述の2024年度の年金額例を見てみましょう。

2.1 令和6年度の年金額の例(国民年金と厚生年金):月額(前年度比)

  • 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)

※昭和31年4月1日以前生まれの方は月額6万7808円(+1758 円)

  • 厚生年金※:23万483円(+6001円)

※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。

厚生年金の場合でみると、「会社員の夫と専業主婦の妻」というモデル夫婦で試算されているため、「ひとり分」として計算すると、厚生年金は月16万2483円(国民年金を含む)となりました。

あくまでも厚生労働省が示す「平均的な収入」を稼いでいる会社員等の場合、16万円という年金収入は決して難しくない水準だといえます。