5. 【一覧表で比較】3つの介護保険施設のメリット・デメリット
次に、3つの介護保険施設の特徴を紹介していきます。合わせてメリット・デメリットも見ていきましょう。
5.1 特別養護老人ホーム(特養)
寝たきりや認知症で日常生活の介助が必要な65歳以上(原則、要介護3以上)が対象。24時間体制で介護サービスが受けられる。
特別養護老人ホームのメリット
・入居一時金が不要。月額費用を安く抑えることができる
・「ついのすみか」として終身利用が可能
・低所得者に対する「負担軽減制度」が利用できる
特別養護老人ホームのデメリット
・入居希望者が多く、入居までに数年間待機することもある
・医療依存度が高い場合は、入居を断られるケースもある
・入居は、申し込み順ではなく「必要性の高い申込者」から優先される
5.2 介護老人保健施設(老健)
介護老人保健施設(老健)の対象は、病院の退院後などに在宅復帰を目指す65歳以上(要介護1以上)。医療ケアやリハビリを受けることができます。
介護老人保健施設のメリット
- 在宅復帰を目指して医療ケアやリハビリが受けられる
- 要介護1から入所が可能
- 低所得者に対する「負担軽減制度」が利用できる
介護老人保健施設のデメリット
- 入居期間が限定される
- レクリエーションや生活支援サービスが少ない
5.3 介護医療院
介護医療院の対象となるのは、長期療養が必要な65歳以上(要介護1以上)。介護と医療、どちらのサービスも受けることができます。
介護医療院のメリット
- 手厚い医療ケアが受けられる
- リハビリが充実している
- ターミナルケアに対応している
- 低所得者に対する負担軽減制度が利用できる
介護医療院のデメリット
- 費用が高め
- 施設の数が少ない
- 個室数が少ない
6. 6.入居の申し込みはお早めに
ここまでにご紹介した3つの介護保険施設のなかでも、とりわけ「特別養護老人ホーム」のは入居希望者が多いです。在宅介護が難しくなったタイミングで申し込みをしても、たいていの場合、即入居とはいかないことを想定しておいたほうが良いでしょう。
厚生労働省の報告によると、2022年4月時点で、特別養護老人ホームの入所を待つ人(申込者のうち要介護3以上の人)は、全国で約25万3000人。
また、特養の平均待機期間は2〜3年とも言われます。
そのため、特別養護老人ホームを入居先の第一希望とするのであれば、早めに申込むことをおすすめします。
また、民間施設であっても、評判の高い施設は満室で受入れ不可というケースも少なくありません。
来たる2025年は、65歳以上の人の約5人に1人が認知症になると見込まれている年でもあります。シニアの親の「ささいな変化」を見逃さず、不安が生じたときには施設入所の検討を始めていきましょう。
参考資料
中谷 ミホ