数年前に「老後2000万円問題」が大きな話題となり、我々の中で「老後資金」に対する意識が以前よりも強まりました。

では実際、現在老後資金として貯蓄や資産運用をしている人はどのくらいいるのでしょうか。

本記事では、2024年1月29日に公表された老後資金に関する調査データをもとに、老後に関する貯蓄・資産運用事情について紹介していきます。

「老後は2000万円あれば安泰なのか」についても言及しているので、あわせて参考にしてください。

1. 半数以上の人が「老後資金」としてすでに貯蓄を始めている

株式会社ライボは、660人の社会人男女を対象に「2024年老後資金の意識調査」を実施しました。

調査概要は下記のとおりです。

  • 調査対象者:現在職を持つすべての社会人でJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
  • 調査条件:全国 / 男女 / 20~50歳代
  • 調査期間:2024年1月3日~1月9日
  • 有効回答数:660人
  • 調査方法:インターネット調査
  • リリース公開日:2024年1月29日

上記調査の結果、回答者の半数以上が老後資金として「貯蓄をすでに始めている」と回答しています。

「全く貯めていない」が約1割で、約9割の人が「すでに貯めている」「貯めたい」と回答しており、老後資金に対する意識が全体で強まっていることがわかります。

年代別にみると、年齢が高いほど「すでに貯め始めている」と回答する割合が多くなっており、50歳代においては62.8%という結果になりました。

20歳代はまだ給与が低く、30歳代〜40歳代は家のローンや教育費などで、老後資金にまで手が回らないケースが多いです。

しかし50歳代になると、年齢的に老後を意識し始め、家のローンの教育費などが落ち着き始める時期であることから老後資金の準備を始める人が多くなるのでしょう。

また、回答者全員に「現在の投資・資産運用の有無」について聞いたところ、約7割の人が資産運用をしていると回答しました。

資産運用をすることで「お金がお金を生み出す仕組み」を作りやすくなり、現金で貯蓄するよりも老後資産を形成しやすいです。

また、最近ではNISAやiDeCoといった国が主導する資産運用の制度も増えていることから、積極的に資産運用を行う人が多くなっているのでしょう。

2. 6割以上の人がNISAを利用して資産運用を実施

株式会社ライボの調査によると、現在投資・資産運用をしていると回答した496人に「運用の種類」を聞くと「NISA・つみたてNISA」が65.1%で最多となりました。

NISAとは、NISAを利用して発生した利益が出た場合、利益に対して税金がかからなくなる制度です。

本来であれば、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、利益や配当に対して税金がかかりますが、NISAで資産運用をすれば非課税となるため、投資をする際のお得な制度といえます。

2023年までは「NISA・つみたてNISA」でしたが、2024年からは制度の内容が改定され「新NISA」となり、今までよりもさらに老後の資産運用に向いた制度になりました。

新NISAでは、年間投資額が大幅に増額されたため、資産運用に回すお金の設定がしやすくなります。

さらに、従来のNISA・つみたてNISAとは異なり、非課税保有期間が「無期限」となったため、運用限度額に到達しない限りは、一生NISA制度を利用して資産運用を続けることができます。

また、非課税保有期間が無期限であることから、老後生活をスタートしても、資産を取り崩しながら非課税で運用し続けられるのも新NISAのメリットと言えます。

このように、老後のために長期的な資産運用をしたい場合、新NISAは非常にお得な制度であるため、気になる方は利用を検討してみると良いでしょう。