3. 老後2000万円で足りるのか
そもそも老後にはいくらのお金が必要なのでしょうか。
貯蓄2000万円あれば生活費は充分賄えるのでしょうか。それともまったく生活費が足りないのでしょうか。
この感覚を知っておくだけでも、新NISAで早急に資産運用をしたほうがいいのか、貯金を軸にして資産運用は少しだけでいいのかの判断がしやすいです。
総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上夫婦のみ世帯の平均支出は月26万8508円となっています。
この数字を基に、月20万円の年金を受け取る世帯が用意すべき貯蓄額の目安を寿命ごとにシミュレーションしてみましょう。
シミュレーションの結果は以下のとおりです。
3.1 【寿命別】老後に必要な金額
寿命:支出合計額:受給年金額:必要な貯蓄額
- 75歳:3228万円:2400万円:828万円
- 80歳:4842万円:3600万円:1242万円
- 85歳:6456万円:4800万円:1656万円
- 90歳:8070万円:6000万円:2070万円
- 95歳:9684万円:7200万円:2484万円
- 100歳:1億1298万円:8400万円:2898万円
*寿命は各年齢到達時とする
夫婦がお互いに平均寿命に近い85歳以下まで生きる場合は、約2000万円の貯金があれば平均的な水準の生活ができるでしょう。
一方で90歳よりも長生きする場合は2000万円の貯蓄ではやや不安です。
特にインフレが進むことにより必要な貯蓄額が増えることを想定すると、貯金の一部を資産運用に回してお金を増やした方がいいかもしれません。
4. 長く働くことも検討しよう
今回のシミュレーションでは65歳から年金だけで生活する夫婦を前提としましたが、今は65歳以降に働く人も多いです。
長く働けば、その分老後に必要な貯蓄額は少なくなります。また、無理に資産運用にお金を回す必要も少なくなるでしょう。
そのため、貯蓄に不安がある人は65歳以降も働くことを検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
苛原 寛