住宅ローン、教育費、日々の生活費などを支払っていると、なかなか老後資金は貯まらないもの。

貯めなければいけないとわかっていてもなかなか貯められず、「退職金を老後資金にすればいい」と考える方もいるでしょう。

厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」によれば大学・大学院卒(勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者)で勤続35年以上の退職金は平均2037万円ですが、平成30年調査と比べると平均額が100万円下がっているのがわかります。

現役世代の方は転職をされる方も珍しくなく、また同資料によれば退職給付(一時金・年金)制度がある企業割合は 74.9%ですから、退職金をあてにできない方もいるでしょう。

そうなると若い頃から以下に貯蓄したかが重要になるもの。今回は60歳代・二人以上世帯の貯蓄額や厚生年金と国民年金の平均月額、退職金期についてもみていきます。

1. 【60歳代】貯蓄2000万円台は何パーセント?

老後資金といえば2000万円が話題になりましたが、今のシニアはどれくらい2000万円以上を保有しているのでしょうか。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。

1.1 【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄2000~3000万円未満の割合

  • 8.8%

1.2 【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄2000万円以上の割合

  • 29.1%

1.3 【60歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値

  • 平均:1819万円
  • 中央値:700万円

60歳代の貯蓄額をみると、貯蓄2000万円~3000万円未満は1割未満、貯蓄2000万円以上でみると約3割となりました。

老後資金2000万円を達成しているのはおよそ3世帯に1世帯でした。

退職金の2000万円が平均を超えていても、実態はそれより少なかったり、また退職金を老後資金の用途以外で使う方もいるでしょう。