2. 参考)国民年金と厚生年金の平均月額
参考までに、2023年12月に更新された厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、今のシニアが受給する年金の平均額をご紹介します。
2.1 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
2.2 厚生年金(老齢厚生年金)の受給額はいくらか
〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金の金額を含む
3. マクロ経済スライドにより年金額は抑えられる
年金額の水準は、原則前年度の物価上昇率や賃金上昇率をもとに計算しますが、実際には、年金額は物価や賃金が上がったほどは上がりません。
少子高齢化が進む中で健全な年金財政を保つため、年金の給付水準を抑える仕組み(マクロ経済スライド)があるからです。
物価などから算出した改定率から、「現役の被保険者の減少」と「平均余命の伸び」に応じた一定割合(スライド調整率)を減額して年金額を決定します。
4. まとめにかえて
厚生労働省の資料によると、2024年度のモデル年金額は夫婦2人世帯で23万483円です。
前年と比較して2.7%の増加ですが、2023年度の物価上昇率を考慮すると実質的には減額といえます。
年金額はマクロ経済スライドにより抑制されるため、将来の年金の給付水準は低下していくことを前提に老後の資金計画を検討しましょう。
参考資料
西岡 秀泰