皆様は2013年と2020年に放送されたドラマ「半沢直樹」をご存じでしょうか。

堺雅人さん主演の銀行員半沢直樹が様々な悪に立ち向かう物語で、平成の最高視聴率を記録し「やられたらやり返す、倍返しだ」は流行語大賞にもなっていました。

銀行出身の筆者も楽しく見ていたことを思い出します。

そんな半沢直樹は1992年に銀行に入行しているので、現在53歳になります。

今回のテーマは半沢直樹と同じ50歳代世帯の貯金額について。

仕事は終わりが見え始め、家庭では子育てを終えて、親としての責任から解放され始める方の多い50歳代。

しかし、ひと息つく間はありません。目前に迫っている老後の準備を始めなくてはいけないからです。

FPである筆者はお客様と接する中で、50歳代の方々の老後に向けた準備への意識が年々高まっていると感じています。

では、現在50歳代の世帯ではどれくらいの貯金ができているのでしょうか。かつて話題となった「老後2000万円」問題をクリアしている世帯はどれくらいいるのでしょうか。

本記事では、現役世代の終盤である50歳代世帯の貯蓄事情について眺めていきます。

1. 【50歳代】貯蓄額を「20歳代~70歳代」と比較

まずは、20歳代~70歳代の貯蓄事情を観察していきましょう。

金融広報中央委員会が公表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和4年調査結果」によると、20歳代~70歳代の二人以上世帯の金融資産保有額は以下のとおりでした。

  • 20歳代:平均:214万円・中央値44万円
  • 30歳代:平均:526万円・中央値200万円
  • 40歳代:平均:825万円・中央値250万円
  • 50歳代:平均:1253万円・中央値350万円
  • 60歳代:平均:1819万円・中央値700万円
  • 70歳代:平均:1905万円・中央値800万円

年代が上がるごとに金融資産保有額が大きくなっているのが見てとれます。

50歳代は平均1253万円・中央値350万円です。

平均値は一部の極端な数値に引っ張られてしまうため、より実態を反映するとされている中央値を参考としておきましょう。

50歳代の貯蓄額の中央値は350万円です。

50歳代はようやく教育資金、住宅ローンのゴールが見えてくる年齢。世帯によって状況はさまざまですが、老後は近づいてきます。

少しずつ「老後」に意識を向けていきたいものですね。