40歳代、50歳代のなかには、老後の生活費について不安を感じる人も多いのではないでしょうか。

老後に向けていくら貯蓄をすればいいのか、知りたい人もいるかもしれません。

結論、老後に必要なお金は人それぞれです。貯蓄がさほど必要ない人もいれば、高額な貯蓄が必要となる人もいます。

本記事では、60歳代「老後4000万円」で老後を迎えても老後生活が不安な人がいる理由を解説します。

老後にかかる生活費やもらえる年金額も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 60歳代で貯蓄が4000万円ある世帯の割合はどれくらいあるのか

まずは、60歳代で貯蓄が4000万円ある世帯がどれくらいあるのかを確認しましょう。総務省統計局「家計調査/貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表」によると、60歳代二人以上世帯の貯蓄額の分布は以下のとおりです。

1.1 60歳代二人以上世帯の貯蓄分布

  • ~100万円未満:8万88世帯(6.99%)
  • 100万円~:4万2726世帯(3.73%)
  • 200万円~:3万4326世帯(3.00%)
  • 300万円~:2万9066世帯(2.54%)
  • 400万円~:3万284世帯(2.64%)
  • 500万円~:3万2533世帯(2.84%)
  • 600万円~:3万732世帯(2.68%)
  • 700万円~:3万3043世帯(2.88%)
  • 800万円~:3万8922世帯(3.40%)
  • 900万円~:2万5797世帯(2.25%)
  • 1000万円~:7万107世帯(6.12%)
  • 1200万円~:5万4300世帯(4.74%)
  • 1400万円~:3万9877世帯(3.48%)
  • 1600万円~:3万9816世帯(3.48%)
  • 1800万円~:4万4619世帯(3.89%)
  • 2000万円~:9万6900世帯(8.46%)
  • 2500万円~:8万930世帯(7.06%)
  • 3000万円~:13万4127世帯(11.71%)
  • 4000万円~:20万7478世帯(18.11%)
  • 平均貯蓄額:2539万円

貯蓄が4000万円以上ある世帯の割合は18.11%です。貯蓄4000万円以上ある世帯は一部のお金持ち世帯であることがわかります。

また、貯蓄額が1000万円未満の世帯の割合は32.95%のため、貯蓄額が少ない60歳代世帯もかなり多いです。

2. 老後にかかるお金はいくらか

60歳代の貯蓄額の実態を確認しましたが、老後にかかるお金はいくらなのでしょうか。

総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上夫婦のみ無職世帯の月の平均支出は26万8508円です。

年間にすると約322万円の支出になります。

この年間支出額約322万円をベースに、「65歳以降の総支出額=老後に最低限必要な資金」を見てみましょう。

夫婦の寿命を同じとした場合、寿命ごとにみた老後に必要なお金は以下のとおりです。

【図表3】

筆者作成

2.1 【寿命別】老後に必要な金額

寿命 必要な金額

  • 70歳 1610万円
  • 75歳 3220万円
  • 80歳 4830万円
  • 85歳 6440万円
  • 90歳 8050万円
  • 95歳 9660万円
  • 100歳 1億1270万円

*寿命は各年齢到達時とする

寿命によって、必要な金額は大きく異なります。

100歳まで生きた場合、合計1億1270万円が老後に必要です。最近は平均寿命が伸びている傾向にあるため、老後にかかるお金が高額になる世帯も多いでしょう。