近年、「結婚しない」という生き方も主流になりつつあります。こうした価値観は平成の終わりから令和にかけて突然広まったものではなく、2001年には岩下久美子による『おひとりさま』が出版されています。

また、2000年代一桁には阿部寛主演のドラマ「結婚できない男」(フジテレビ系列)や観月ありさ主演のドラマ「おひとりさま」(TBS系列)が放送。今からおよそ10年前には天海祐希と菅野美穂がW主演を務めるドラマ「結婚しない」(フジテレビ系列)が放送されました。

近年においては若いうちからおひとりさまという生き方に抵抗なく、むしろ希望する人たちが増えています。

SHIBUYA109 lab.「Z世代の恋愛・結婚観に関する意識調査」(Z世代400人(男性200人、女性200人)を対象)によると、「絶対に結婚したい」と回答した人の割合は16.3%。一方、「結婚願望はない」と回答した人の割合は18.8%という結果でした。

おひとりさまを好む人は世代を問わずに多くいますが、おひとりさまはどのような悩みを抱えているのでしょうか。

また、充実感に満ちたおひとりさまになる秘訣はあるのでしょうか。

1. おひとりさまがもっとも抱えている不安は「お金」だが、「人恋しさ」を感じがち

ジブラルタ生命「おひとりさまに関する調査2022」では、20~69歳の未婚男女4700名(男性2350名 女性2350名)を対象におひとりさまの生活満足度や経済事情、不安などについての調査結果が明らかにされています。

同調査では「自身の将来について、どのようなことに不安を感じるか」についても対象者に質問しています。

【図表1】によると、男女ともに「老後の生活費」に不安を抱えている人がもっとも多く、「自身の病気」「親の介護」が続いています。

高齢者の住まいについて話題になる機会は多くありますが、「老後の住居」に不安を抱える人も多いです。

また、「老後の楽しみ・生きがい」に不安を抱えている人も多くいます。

あわせて、同調査における「ひとりでの行動・くらしに関して、自身にあてはまることがある特徴・経験・振る舞い」を見てみましょう。

【図表2】では「ふと将来が不安になることがある」がもっとも多くの回答を集め、全体の4割近くにのぼりました。

また、「体調を崩したときは隣に誰かいてほしいと思う」(全体28.4%)、「よく独り言を言う」(全体22.1%)、「一言も発せずに終わる日がある」(全体20.2%)、「地震や台風のときは隣に誰かいてほしいと思う」(全体15.3%)といった、さみしさを感じているとうかがえる項目が多くの回答を集めています。

普段はさみしさや孤独を感じにくいおひとりさまであっても、体調を崩したときや非常時には人のあたたかさを求めるおひとりさまは少なくありません。