2024年がスタートし、もう2週間が経過しましたね。今年、定年退職を迎え、新たなステージに突入する方は不安と期待が入り混じっているかもしれません。

さて、「定年退職」と聞くと何歳をイメージするでしょうか。

一昔前は「60歳」と答える方が多かったように思います。しかし、最近では定年退職の年齢引き上げや制度撤廃により、「65歳」という方も増えてきました。

筆者が老後資金についてご相談を受ける際にも、老後の開始年齢を「65歳から」と想定している方が多いという印象です。

また、「老後を公的年金だけで暮らせるイメージはありますか?」と聞くと、ほとんどの方が「No」と仰います。

実際に、厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、100%年金だけで生活している人は全体の44%ということが明らかになっています。半数以上の人が年金だけで生活できていないということになりますね。

老後に向けて、公的年金以外の資産形成が非常に重要といえるでしょう。

では、現在の60歳代シニアは老後資金としていったいどのくらい準備をしているのでしょうか。

4000万円を超える資産を保有する人も少なくないようです。実際に60歳代シニアがどのくらいの貯蓄額を保有しているのか、確認していきましょう。

1. 60歳代シニア「貯蓄4000万円以上」達成している割合は何パーセント?

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)ー2022年(令和4年)平均結果」によると、60歳代における貯蓄割合は【図表1】の結果となりました。

1.1 60歳代の貯蓄分布

  • ~100万円未満:8万88世帯(6.99%)
  • 100万円~:4万2726世帯(3.73%)
  • 200万円~:3万4326世帯(3.00%)
  • 300万円~:2万9066世帯(2.54%)
  • 400万円~:3万284世帯(2.64%)
  • 500万円~:3万2533世帯(2.84%)
  • 600万円~:3万732世帯(2.68%)
  • 700万円~:3万3043世帯(2.88%)
  • 800万円~:3万8922世帯(3.40%)
  • 900万円~:2万5797世帯(2.25%)
  • 1000万円~:7万107世帯(6.12%)
  • 1200万円~:5万4300世帯(4.74%)
  • 1400万円~:3万9877世帯(3.48%)
  • 1600万円~:3万9816世帯(3.48%)
  • 1800万円~:4万4619世帯(3.89%)
  • 2000万円~:9万6900世帯(8.46%)
  • 2500万円~:8万930世帯(7.06%)
  • 3000万円~:13万4127世帯(11.71%)
  • 4000万円~:20万7478世帯(18.11%)

貯蓄4000万円以上の世帯割合は全体の18.11%となっており、約5世帯に1世帯が貯蓄4000万円以上を保有していることがわかります。

かつて、老後2000万円問題が話題となりましたね。2000万円以上を保有している世帯は45.34%。60歳代世帯の半数近くが、老後2000万円問題をクリアしているということになります。

退職金や遺産相続などまとまった資金が入り、一気に貯蓄額が増えたという世帯もあるでしょう。

ただし、こうした資金は”確約”されているものではありません。転職等により退職金をあてにできなくなる可能性もあるでしょう。

あらゆる可能性を考慮しながら、計画的にコツコツと貯蓄を進めていきたいものです。