2. 学資保険のデメリット
学資保険のデメリットは以下の3つです。
2.1 学資保険のデメリット1:予定利率が低い時期は慎重に検討する
学資保険は、加入時に設定されている予定利率が適用されます。
予定利率は、国債の利回りに影響されます。
国債の利回りが高ければ予定利率も高くなり、安い保険料で加入できます。
しかし、国債の利回りが低ければ、予定利率も下がり保険料は高くなります。
もし、予定利率が低い時期に学資保険に加入すれば、払い込んだ保険料に対して、受け取る祝い金や満期金は変わらない…という場合も少なくありません。
前述の「確実に教育費を貯められる」というメリットを押さえつつ、払込保険料と受け取り額のバランスを考え、慎重に検討することが必要です。
2.2 学資保険のデメリット2:保険会社の破綻リスクがあることを知っておく
万が一、学資保険に加入した保険会社が破綻した場合でも「生命保険契約者保護機構」により一定の契約者保護が図られます。
しかし、契約している保険契約に対しては、「責任準備金」と「予定利率」に影響が出ます。
責任準備金とは、保険会社が、将来の保険金や給付金などの支払いに備え、収入保険料の一部を積み立てている部分のことです。
保険会社の経営が破綻した時点の90%までの責任準備金が原則補償されることになっています。
保障性の高い定期保険、医療保険などは、保険料のうちの積立て部分は少なく保険金への影響は小さいといえます。
一方、学資保険や終身保険など貯蓄性の高いものは、積立て部分が多く、保険金や満期金などに大きく影響します。
そのため、祝い金や満期保険金は当初よりも減ってしまう可能性は高いといえます。
また、会社が破綻した際の予定利率は、契約時よりも低下する場合が多くなります。
そうなると、保険料は高くなり、保険金や満期金そのものが大きく減少してしまいます。
保険会社の破綻をなるべく避けるため、学資保険の加入前は、保険会社の健全性を見る指標をチェックしましょう。
保険会社の健全性をチェックする際、参考にする指標は「ソルベンシー・マージン比率」「S&Pやムーディーズの格付け」です。
ソルベンシー・マージン比率とは、保険会社が「通常の予測を超えるリスク」に対して、どの程度「自己資本」・「準備金」などの支払余力を有するかを示す健全性の指標です。
契約を検討している複数の学資保険があるなら、それぞれの保険会社の指標をチェックして、良い方を選ぶようにしましょう。
ただし、たとえ格付けが最も高い「AAA」であっても、先々絶対に破綻しないといいきれるものではありません。
2.3 学資保険のデメリット3:インフレに対応できない
学資保険は、契約時にすでに祝い金や満期保険金が設定されています。
確実に契約金額が受け取れるとはいえ、15年~20年先の物価はわかりません。
もし、物価の上昇が進み相対的にお金の価値が下がるインフレが起これば、祝い金や満期保険金の価値は、契約時点に計画していた額よりも低くなる可能性があります。
先々「インフレになったら?」というリスクも想定しておく必要があるでしょう。