2024年1月26日、総務省から公開された「2020年基準 消費者物価指数全国 2024年(令和6年)1月分」によれば、生鮮食品・エネルギーを除く総合指数は前年同月比で3.1%の上昇。

前月比からは下落したものの依然として物価高の状況は続いており、家計へ少なからず影響を与えています。

こうした物価高などの苦しい状況を乗り切る支えとなるのが「貯蓄」。自分と同年代の平均貯蓄額や、手取り収入からどれくらい貯蓄しているのかは気になるところです。

また、年金だけで生活したいと思うシニア世代の人にとって、物価高と貯蓄額は気になる問題ではないでしょうか。

今回は、金融広報中央委員会の資料に基づき、70歳代以上・二人以上世帯の貯蓄額に焦点を当てて探ってみましょう。

1. 多くのシニア世代「年金だけでは生活が苦しい」

厚生労働省が公表した「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」から、年金だけで生活しているシニアの割合をチェックしていきましょう。

結果によると、100%年金だけで生活している人は全体の44%。残りはその他の収入や貯蓄の切り崩しによって生活しているということです。

【円グラフ】公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯は何割?

公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯は何割?

出所:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」

もちろん「老後は貯蓄を切り崩しながら生活する」というイメージがあるかもしれませんが、実際に減りゆく預金残高を見るのは、不安が募るものです。

長生き時代に突入したのは喜ばしい一方で、長生きリスクにも備える必要があるということです。

こうした老後不安に備えるには、「年金受給額」と「老後に必要な生活費」のバランスをシミュレーションしてみることも大切でしょう。