2. 医療保険が必要な方

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前章で解説したように、医療保険がいらないといわれるには理由があります。しかし、次のような方には医療保険の必要性は高いといえます。

2.1 公的医療保障制度の対象外の医療費にも備えたい方

公的医療保険制度では、すべての医療費が対象になっているわけではなく、次のように対象外のものがあります。

  • 差額ベッド代
  • 健康診断
  • 予防注射
  • 美容整形
  • 歯列矯正 など

こういった治療を受けても、医療保険であれば保障対象になっているものも多く、医療費の支払い負担を軽減できます。

公的医療保険の対象外となる医療費にも備えたい方は、医療保険に加入すると保障の幅が広がるでしょう。

2.2 今後の公的医療保険制度に不安のある方

現在の公的医療保険制度は、医療費の自己負担が原則3割(1〜2割の場合もある)となっていますが、今後の国の施策によっては、自己負担割合が増えるなど医療費負担が増える可能性も考えられます。

公的医療保険による保障を受けられる条件が厳しくなっても経済的に苦しくならないよう、医療保険に加入することはひとつの選択肢となります。

2.3 治療や療養中の収入減少に備えたい方

病気やけがで入院や療養などをする間は、収入が減少することが考えられます。

会社員や公務員などが加入する健康保険からは傷病手当金が支給されますが、受給条件が定められているうえ、受給できるのは平均的な給与の3分の2程度です。

また、受給期間は支給開始日から1年6ヵ月と限られています。

自営業などが加入する国民健康保険には傷病手当金という制度がないため、休業中の収入補填ができません。

医療費の支払いが家計の負担を圧迫する場合は、医療保険に加入することで家計への影響を少なくできる可能性があります。

3. まとめにかえて

医療保険はいらないといわれる理由として、日本の公的医療保険制度が充実していることや高額療養費制度があること、高齢になるほど保険料が高くなることなどがあります。

しかし、医療保険は公的医療保険制度の対象外となる医療費にも対応しているほか、医療費の支払いが家計に与える影響を少なくしたい場合などにも役立ちます。

医療費に関する不安を感じることのないように、保障内容を理解し、ご自身やご家族にとって必要かどうかを判断することが大切です。

参考資料

木内 菜穂子