人事院は、「就職氷河期世代」を対象とした2023年度国家公務員中途採用試験で、165名が合格したと発表しました。

2024年度も同様に中途採用試験が行われる予定であり、国家公務員への転職を目指す方もいるでしょう。

では、国家公務員に転職して定年まで働いた場合、どのくらいの退職金を受け取れるのでしょうか。

今回は、退職金の平均支給額を勤続年数別に見ていきます。

1. 就職氷河期世代の国家公務員中途採用試験について

就職氷河期世代への支援策として、2020年度から国家公務員の中途採用試験行われています。政府は毎年150名以上の採用を目標に掲げており、2023年度までに727名が採用されました。

なお、就職氷河期世代とは、雇用環境が厳しかった1990年代から2000年代にかけて就職活動を行っていた世代のことです。

2024年度の受験資格については、2024年4月1日時点で38~57歳の方が対象となります。

2. 「勤続年数別」国家公務員の退職金平均支給額

内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」を基に、国家公務員の退職金平均支給額(定年退職)を勤続年数ごとにまとめました(一覧表参照)。

【常勤職員】

  •  5年未満:158万7000円
  • 5年~9年:446万8000円
  • 10年~14年:713万7000円
  • 15年~19年:1159万1000円
  • 20年~24年:1309万2000円
  • 25年~29年:1663万2000円
  • 30年~34年: 1991万7000円
  • 35年~39年:2303万8000円
  • 40年以上:2234万7000円

【うち行政職俸給表(一)適用者】

  •  5年未満: 84万8000円
  • 5年~9年:451万8000円
  • 10年~14年:675万7000円
  • 15年~19年:1016万6000円
  • 20年~24年:1352万4000円
  • 25年~29年:1625万6000円
  • 30年~34年: 2037万円
  • 35年~39年:2189万1000円
  • 40年以上:2139万1000円


平均値のため参考程度にはなりますが、転職後に15年以上働いて定年を迎える場合、1000万円以上の退職金を受け取れる可能性があります。

転職時の年齢を当てはめ、支給額の目安としてみてはいかがでしょうか。

3. 退職金の支給額は「退職理由」によって大きく異なる

前述した退職金の平均支給額は、退職理由が「定年」の場合の金額です。「応募認定」や「自己都合」などで退職するケースとは支給額が大きく異なる点にも留意しましょう。

例えば、「勤続年数20~25年」の平均支給額を、他の退職理由と比較してみます。

【常勤職員】

  • 定年:1309万2000円
  • 応募認定:1731万2000円
  • 自己都合:932万8000円

【うち行政職俸給表(一)適用者】

  • 定年:1352万4000円
  • 応募認定:1554万3000円
  • 自己都合:885万7000円


常勤職員の場合、退職理由が「定年」と「自己都合」では、400万円近くの差が付くことがわかります。

なお、応募認定とは、早期退職の条件に該当する職員が応募し、各大臣等の認定を受けて退職する制度のことです。

4. 公務員への転職によって生涯賃金が増加する可能性も

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Ustyle/shutterstock.com

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就職氷河期世代の方々は、公務員への転職によって生涯賃金が増加する可能性があります。

しかし、試験に合格するのは決して簡単ではありません。

参考までに、2023年度の試験における全国の申込者は6039名、合格者は165名となっており、採用倍率は36.6倍です。

自治体によって倍率は異なるものの、しっかりと準備をして試験に臨む必要があるでしょう。

参考資料

加藤 聖人