1. 日経平均は4営業日ぶりに小幅に反発

2024年1月5日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比89円13銭高の3万3377円42銭となりました。4営業日ぶりの反発でしたが、上げ幅はわずかでした。

2024年の大発会となる4日の東京株式市場では昨年の大納会と比べて175円88銭安の3万3288円29銭で終えています。同日は、1日に発生した能登半島地震の経済への影響を懸念する売りが優先し、下げ幅は一時770円に達する場面がありました。ただし、引けにかけては下げ幅が縮小しました。

昨年12月29日の大納会は3万3464円で終えています。終値ベースで年初来高値更新には至りませんでしたが、2022年の大納会と比べて7369円高と大幅に上昇しました。上げ幅の大きさは史上最高値をつけた1989年以来です。

「2024年は史上最高値(1989年12月29日に付けた3万8915円)を更新」、「4万円の大台に」といった声もありましたが、大発会から能登半島地震、さらに羽田空港での日本航空機と海上保安庁の航空機の衝突事故などが起こり、積極的に買われる展開にはなりませんでした。

今年、日経平均はどのような動きになるでしょうか。能登半島地震については、今なお懸命な救助が行われており、予断を許さない状況です。ただ、原発のメルトダウンが起きるなど、広範囲で長期間にわたる影響があった東日本大震災に比べると経済活動への影響は限定的との見方が強くなっています。羽田空港での衝突事故についても日本航空の損失は保険で補償されるため、業績への影響は少ないようです。その点では、悪材料は織り込み済みで、仕切り直しといったところでしょう。

新年を迎え、期待できるのが、1月から新しい少額投資非課税制度(NISA)、いわゆる「新NISA」が始まったことです。個人投資家による日本株の「買い」が広がりそうです。実際に、4日の大発会から、NISA経由の個別株の買いと見られる動きにより、特定の銘柄が高値圏となりました。配当利回りが高い銘柄などが人気のようです。個人マネーが相場の牽引役になることが期待されます。

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