「仏像をもっと身近に感じてほしい」と作成

出所:@musenbu1010

今回、パンフレットの執筆とイラストを手がけたのは、奈良国立博物館の教育室に所属する翁さん。

企画の意図について「2022年の夏、仏像の見分け方についてこども向けに開催した展覧会と図録が予想以上に好評でした。それを受け、常時100体以上の仏像を展示する『なら仏像館』でポイントをまとめたパンフを配布すれば、『仏像をもっと身近に感じ、仏像鑑賞をより楽しんでもらえるのでは』と考えたのがきっかけです。」と教えてくれました。

翁さんは小さい頃からイラストを描くのが趣味だったとか。奈良国立博物館に就職してからは、ワークシート等の配布物や、公式キャラクター「ざんまいず」のイラストも手がけているそうですよ。

てっきりイラストレーターに発注されているかと思いきや、博物館の中の人が描いていたとは驚きですね…!

パンフレットと図録をまとめた書籍も販売

出所:@musenbu1010

翁さんは、博物館だけでなく、お寺めぐりをする際にも役立つようなガイドにしたいと思ったようで、

「見分け方や仏の役割・特徴などのポイントがパッと一目で分かるようにすることを心がけました。また、お子さんや今まで仏像に親しんだ経験のない大人の方たちにも、仏像にもっと興味を抱いてもらえるよう、パステル調のカラーで統一したり、デフォルメしたイラストを載せたりといった工夫をしました」と細部までこだわったそうです。

また、投稿の反響については驚きながらも、「こうしてみなさんに喜んでいただけるのは、とても嬉しいですね。このパンフがきっかけで仏像鑑賞がより楽しくなれば、と思っています」と語ってくれました。

今回ご紹介したパンフレットは、2022年の展覧会図録と合わせて増補、書籍化した「発見!ほとけさまのかたち」(河出書房新社/税込1815円)としても販売されています。

博物館で仏像鑑賞をするのはもちろんのこと、書籍を読んで仏像の世界をじっくりと楽しんでみたくなりますね。

参考資料

成瀬 亜希子