2.2 共有名義のいずれかの収入が0になっても、住宅ローンの支払いは続く

住宅ローンを共有名義にするということは、2人で返済するということです。

何らかの理由で一方の収入がなくなってしまったり、出産や転職、入院、親の介護などで収入が減ってしまったりしても、住宅ローンの支払いはそのまま継続します。

また退職すれば収入がなくなってしまうので所得税が発生せず、住宅ローン控除も受けられなくなってしまいます。

そのため、月々の返済額に余裕を持たせて借入額を設定したり、貯蓄や保険などを準備しておいたりすることが必要になります。

2.3 共有者が亡くなった場合には相続の対象になる

万一共有者が亡くなった場合には、共有者の持分は相続の対象になります。

相続人が夫婦いずれか一人だけであれば何の問題もないのですが、相続人が複数いる場合には夫婦共有の不動産が遺産分割の対象になります。

3. 住宅ローン借り入れではリスク回避まで慎重に検討を

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住宅ローンを共有名義にすると、金融機関からの借入額の上限を増やすことができる(=高額な物件を購入することができる)、名義人それぞれが住宅ローン控除を受けることができるなどのメリットがありますが、リスクも多く、明らかにデメリットの方が大きいと感じる方が多いのではないでしょうか。

たとえ将来も夫婦そろって働き続けることを決めていたとしても怪我や病気のリスクは避けることができず、離婚や相続時にもトラブルが発生する可能性があります。

したがって住宅ローンを借りる際には、将来のライフプランや返済計画はもちろん、リスク回避のことまで慎重に検討することが大切です。

参考資料

亀田 融