政府は物価上昇対策のひとつとして、ひとり当たり4万円(所得税3万円・住民税1万円)の定額減税を実施することを決定しました。

世帯ごとではなくひとり当たりの減税なので、扶養している人数が多いほど減税額も大きくなります。

物価高の影響がゼロになるわけではありませんが、家計への負担が少なくなることが期待されます。

しかし、住宅ローン控除を受けている世帯は、年末調整時に受けられる還付金が少なくなる可能性があるため注意が必要との声も聞かれます。

具体的にどのような事態が考えられるのでしょうか。

この記事では、定額減税4万円の概要や住宅ローン控除に与える影響などについて解説していきます。

1. 所得税・住民税の定額減税の概要

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所得税・住民税の定額減税とはどのような内容なのか、まずは制度の概要を確認しましょう。

当制度は、令和6年度の税制改正において、納税者をはじめその配偶者や扶養親族ひとりにつき、所得税3万円・住民税1万円の計4万円を減税するものです。例えば、夫・妻・子ども2人の4人家族で、妻と子どもが夫の扶養親族に該当する場合、ひとり4万円×4人で合計16万円の定額減税が受けられます。

制度が適用されるのは2024年6月からで、1年限定の措置とされていますが、今後の物価の上昇次第では追加的措置が講じられる可能性もあります。

また、当制度の対象者に所得制限を設けるかどうかも議論されていましたが、12月13日に2000万円超の世帯は対象外になることが決定されました。

高所得世帯は物価上昇の影響が比較的小さいだろうとの判断が、決定の理由とされたようです。