2. 定額減税が住宅ローン控除に与える影響

解説したように、一見家計にとってメリットのある措置ですが、住宅ローン控除を受けている世帯にとっては、年末調整時に還付金として受けられる金額が減少してしまう可能性があります。

具体的にどのようなことなのか、まずは住宅ローン控除の仕組みをおさらいしておきましょう。

2.1 住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは 、住宅ローンを借りて住宅を新築・取得・増改築などをしたとき、年末時点のローン残高の0.7%を所得税から最大13年間控除できる制度です。もし所得税から控除しきれない場合は、翌年の住民税から控除できます。

利用できるのは、合計所得金額が2000万円以下であること、住宅ローンの借入期間が10年以上あることなどの一定条件を満たした場合です。

たとえば、2023年末時点に4000万円の住宅ローン残高がある場合、28万円(4000万円×0.7%)が住宅ローン控除として適用できます。

所得税が28万円以下であれば全額が控除され課税額は0円になり、控除しきれなかった分は住民税から控除できます。