1.3 親と一緒に暮らす夫婦が住民税非課税となるのは?
夫が働き、妻が主婦であれば収入はゼロで、扶養家族になります。
また、同居している親も扶養家族になります。
妻と親を扶養家族に持つ夫が住民税非課税になるときの所得は「3人×35万円+31万円=136万円以下」となる必要があります。
所得が136万円以下になる年収は、所得税法「別表第五 年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表(第二十八条、第百九十条関係)」によれば、年収206万円未満です。
このように、同じ家で暮らす夫、妻、親の所得が住民税非課税限度以下であれば、住民税非課税世帯となります。
ただし、夫の年収が206万円以上の場合は夫に住民税がかかるため、住民税非課税世帯からは外れます。
また、前述の妻は主婦でしたが、パートで年収100万円を得ていたとしても「100万円(年収)-55万円(給与所得控除額)=45万円(所得金額)」であれば、非課税限度額の45万円以下を満たしますので、住民税はかかりません。
なお、住民税非課税世帯かどうかの判定については、お住まいの地域の級地区分などで非課税限度額が異なります。
上記の年収は目安としていただき、正確な年収は、自治体へご確認くださいますようお願いします。
2. 「世帯分離」親の年収が155万円以下なら住民税非課税世帯となる
ここまで解説した場合は、二世帯住宅に住んでいる家族が生計を一にしていることが前提の話で、夫の年収が206万円未満、妻の年収が100万円以下、年金をもらっている親の年収が155万円以下であれば住民税非課税世帯となります。
しかし、夫の年収が206万円以上になると、住民税がかかるため、住民税非課税世帯から外れます。
しかし、親子二世帯が同居していても、親世帯と子世帯で家計を分けている場合は、「親世帯の世帯主:親本人」「夫婦世帯の世帯主:夫」というように世帯も分けることができます。
同居している家族が住民票の世帯を分けることを「世帯分離」といい、住民票の届出をしてある役所の担当窓口で手続きできます。
世帯分離をした場合は、住民税非課税世帯かどうかは、親世帯と子世帯で分けて判断します。
なお、世帯分離で親が扶養家族から外れた場合は、夫の住民税非課税になる非課税限度額も変わります。
3. まとめにかえて
年金収入10万円の母と二世帯住宅に住んでいる場合、要件に該当すると住民税非課税世帯になることがあります。
同じ住所で暮らしている家族の住民票の世帯を分ける世帯分離は、実態の生活そのものが明確に分かれているなどの要件が必要となります。
二世帯住宅で暮らしていたとしても、生活区分があいまいであれば、認められないケースもあります。
参考資料
舟本 美子