「新NISAを活用したいのですが、すでに多くの資金を投資にまわしています。そこで、通常の口座で運用してきた資金を新NISAで運用し直すのはどうでしょうか?」。最近セミナーをしていると、こうした質問を受けることが多くなってきました。
2023年までのNISAは、年間の投資枠が最大でも120万円でした。非課税メリットを受けられるNISA口座の投資枠を使い切った後、通常の口座を使って運用してきた人も多かったのではないでしょうか。
一方で2024年からの新NISAでは生涯の投資枠が1800万円、年間の投資枠も最大360万円と大きくなりました。
1. 一度売却してまで新NISAで投資すべき?
NISA口座と通常の口座を単純に比べると、NISA口座で運用するほうが非課税メリットがあるのでお得です。
新NISAの1800万円の枠(年間最大360万円)を新たな資金で埋められるならいいのですが、かなり大きな金額なので、難しいという方も多いのではないでしょうか。
手元にあるお金で新NISAの投資枠を埋められない場合、「通常の口座で運用している資金を一度売却して、新NISAの口座で投資し直す」という方法があります。
ただし売却すると、利益に対して約20%の税金がかかります。
一度売却して税金を支払ってまで、新NISAで投資すべきなのでしょうか。それとも通常の口座に置いておくほうがいいのでしょうか。
2. 「なるべく早くNISA口座で運用する」が正解
「長期・積立・分散」の資産運用であれば、なるべく早く新NISAで運用することをおすすめします。新NISAで運用するほうが、長期的に見てリターンを向上させることがわかっているからです。
通常の口座の資産がプラスのリターンなら、資産を売却するときに税金が差し引かれてしまいます。これは長期投資においてデメリットだと言えます。
しかし中長期的には、NISAの非課税メリットが税金を支払うデメリットを上回ります。
NISA口座であれば売却益に加え配当金も非課税になります。非課税で運用する期間を長くとることをおすすめします。