【老後の年金】何歳から受け取るのがお得なの？「繰上げ受給」・「繰下げ受給」について解説損益分岐点は何歳？

3. 繰上げ受給と繰下げ受給の注意点

最後に、老齢年金を繰上げまたは繰下げで受け取る場合の注意点を解説します。

繰上げ受給は、減額された年金額が一生涯続くなどのデメリットを知っておく必要があります。

老齢年金の繰上げ受給をし始めてから障害状態になった場合、障害年金を請求できません。一般的に国民年金にしか加入していない人の場合、老齢年金より障害年金の給付のほうが手厚くなります。

繰上げ受給を始めると取り消しはできないため、慎重に判断しましょう。

繰下げ受給は年金額が増額されますが、その分税金や社会保険料も増えるおそれがあります。これまでのシミュレーションは額面金額なので、手取りはより少なくなると知っておきましょう。

また、繰下げ待機期間中は、生活費の目途を立てる必要があります。就労や資金準備などの計画を立てておくことが大切です。

老齢年金をいつから受け取るかは、老後の生活設計において非常に重要なポイントです。最適な受給開始時期は個人のライフプランによって決まり、夫婦であっても同じ年齢とは限らないでしょう。

繰上げ・繰下げ受給のメリット・デメリットを理解し、就労での収入や資金準備をもとに年金の開始時期をじっくり考えましょう。

松田聡子