大雪のたびに心が痛む、路肩に乗り捨てられたクルマたち

相変わらず雪に弱い首都圏〜クルマと遊ぼう(17)

今週は各地で大雪や低温などへの警戒が続いている。首都圏も、前回が2014年ということなので、4年ぶりの大雪に見舞われた。当初は午後までは雨が降り、そのあと低気圧の入り方によっては都心でも積雪があるかもしれない、という程度の予報であったが、静かな休み明けの朝を迎える頃には既に多摩方面は雪が降り始め、筆者が住む横浜港北エリアもお昼前には小雨が雪に変わり、そして次第にその勢いを増していった。

大雪の夕刻、フルタイム4WDのスバルで出かけると・・・

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たまたま用事があり、会社はお休みと決めていたので雪の中の通勤を免れた幸運を神様に感謝。テレビでは民放各社が一斉に首都圏各地の中継を繋いで今後の予想積雪量を伝えていた。自宅のリビングから外に目をやるとバルコニーの縁には雪が積もりはじめ、夕方ごろには外はすっかり雪景色。普段は青々とした深緑を見ることができる神社の裏山の森もすっかり真っ白になっていた。

冬になると降雪、積雪は当たり前のエリアにお住いの方々には誠に申し訳ないのであるが、両親ともども生まれも育ちも東京の私にとって、雪が降る、そして積もる、というのは極めて非日常の現象であり、五十路を超えた今になっても子供の頃と同じ気持ちで、ドキドキワクワクしてしまうのである。

ましてや、いつ雪が降ってもいいようにと昨年の暮れからスタッドレスタイヤを新調していた通勤快速のSUBARU レガシィアウトバックにとって、本領発揮のまたとないチャンスが訪れたのである。家の前の道路が真っ白になり、長靴でないと歩くのも困難になってくる頃には、夕飯の食材を買い出しに行くことを口実に、フルタイム4WDのスバルならではの走りを楽しみたくてウズウズしている自分がいた。

テレビでは、夕方の通勤ラッシュ時間帯に運行本数を減らしたことで入場制限をしている品川駅や新宿駅の様子を伝えていた。加えて坂道でスリップして立ち往生しているクルマの様子も伝えていた。まさに首都圏の交通機能は4年前と同じく、またもやマヒしてしまっていた。

辺りはすっかり暗くなり、一向に降りやまない雪に音を吸収されてしまっているのか、静まり返った自宅周辺。近隣の方も早めに帰宅されたのか、道路には人影もない。私と同じくアウトバックの雪道ドライブを楽しみにしていたかみさんを助手席に乗せ、降り積もる新雪をギュギュギュっと踏みしめるようにアウトバックをスタートさせた。

途中でブレーキを強めに踏み、ABSの効き具合と制動の感覚を確かめる。大通りに出る手前でアクセルを気持ち強めに踏んでみて、トラクションコントロールの作動の感覚を確かめる。まるで石打丸山に向かう国道17号のような景色になってしまった綱島街道。いつもの街並みは一面真っ白。予想よりも交通量が少なく、自分のペースで走らせることができる。

毎回繰り返される雪道の惨状

しかし、片側一車線の田舎道のような綱島街道から全四車線の大通りに出たあたりから状況が様変わりしてきた。

左側の路肩沿いをお尻を左右に振りながら懸命に前に進もうとする軽トラック、路地に入るところでスタックしてしまったのか、リアタイヤをむなしく空回りさせるだけでにっちもさっちもいかなくなっているアルファード、これ以上は無理と判断したのか、路肩沿いに斜めに止まったまま放置されてしまっているメルセデス・・・。

どれも間違いなく夏タイヤのままである。降雪予報は出ていたはずで、さらに当日の昼すぎから降り出した雪の様子はテレビやラジオでもしつこいくらいに報道していたはず。

4年前の大雪の時には自宅近くの綱島街道の緩やかな上り坂で何台もの車がスリップして上れなくなり、反対車線に乗り捨てられたクルマたちのおかげで実質一車線となってしまった車道は大渋滞になったことがあった。雪がこれほどまでに降らないとでも思っていたのだろうか、はたまた雪が本格的に道路を白く覆い始めても、夏タイヤで走れると思っていたのだろうか。その”図太い”神経には唖然とする。

ただでさえ雪道に慣れていない首都圏のドライバーのノロノロ運転により流れが悪くなるなか、こうした無謀な夏タイヤドライバーのために幹線道路は完全にマヒしてしまう。雪の多い地域に暮らす人たちからしたら、こうした過熱報道や、学習しない輩によるスリップ、スタック、そして車両放置の状況はまさに信じがたい間抜けな話なのだろう。

一夜明けてすっかりと青空になり、あちらこちらでベチャベチャになった雪を避けながらいつもの通勤の道を走った。途中何台もの乗用車が路肩に放置されていた。これも雪の翌朝によく見る光景。あんなに真っ白でワクワクさせてくれた雪はベチャベチャの泥交じりになっていて、そんな中に無造作に乗り捨てられているクルマたちはなんだかとてもみじめな姿だった。

鈴木 琢也

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鈴木 琢也

約30年にわたり一貫して人事のビジネスキャリアを持ち、輸入車ディーラー、電子部品、マーケティングリサーチ、食料品メーカー、国際航空貨物等、多岐にわたる業界を経験。加えて、ヤナセにてセールスマンの教育担当、J.D.Powerにてクライアントの顧客満足度向上支援のためのコンサルティング部門を立ち上げ高い評価を得る。
現在は ITW(Illinois Tool Works)の自動車部品製造における日本法人、ITW Automotive Japanにて人事責任者を担当。
プライベートでは根っからのクルマ好き。特に輸入車の所有歴はフェラーリ、ポルシェ、BMW、キャデラック、フィアット、マセラティ等々、延べで100台近くを乗り継いで現在に至る。人生最後に乗りたいクルマはデトマソ・パンテーラという、いわゆるスーパーカー世代。