多くの企業が賞与の支給月にしている12月。
ボーナスを受け取って預金残高が増加した人も多いのではないでしょうか。
中には、「残高が1000万円を超えた」という人もいるかもしれません。
預金残高が1000万円を超えたら知っておきたいのが、銀行からの電話連絡についてです。
「預金が1000万円を超えたら銀行から電話がかかってくる」という話を聞いたことがないでしょうか。
本記事では、元銀行員の筆者がこのウワサの真相について解説します。
1. 預金が1000万円を超えると銀行から電話が来る理由
「預金が1000万円を超えると銀行から電話がくる」というのは、実は半分ホントで半分ウソです。
というのも、銀行によって対応が異なっており「必ず電話がかかってくる」というものではないためです。
筆者が勤務していた銀行では、「預金残高が1000万円を超えた段階ですぐに電話をする」ということはありませんでしたが、あるタイミングで1000万円以上の残高がある人をリストアップして電話をかけることがありました。
ここからは、銀行が預金残高1000万円以上の人に電話をかける理由について解説していきます。
1.1 理由1:ペイオフの対象外となるため
「預金が1000万円を超えると銀行から電話がくる」といわれるのは、ペイオフの仕組みが大きく関係しています。
ペイオフとは、万が一金融機関が破綻したときに預金者の保護を行う制度です。
ペイオフでは保護が受けられる範囲が定められており、普通預金や定期預金など一般的な預金については元本1000万円とその利息が保護される仕組みとなっています。
そのため、通常の預金口座に1000万円以上を預けていると、万が一その銀行が破綻した場合、1000万円を超える部分については保護を受けられない可能性があります。
銀行によっては残高が一定金額を超えると通知を送るところもあり、この通知が「預金が1000万円を超えると電話がくる」といわれるきっかけになっているようです。
1.2 理由2:金融商品の案内のため
銀行は、預金残高が1000万円を超える顧客に対して通知を行う義務はありません。
それでも電話をかけることがあるのは、営業につながる可能性があるためです。
銀行では、預金や融資以外に投資信託や保険商品などの金融商品を取り扱っており、顧客のニーズに合わせて営業を行っています。
預金残高が1000万円以上ある場合は「余裕資産が多い」ということが見込まれるため、営業先としてリストアップされることも少なくありません。
筆者も銀行時代は預金残高が一定数以上の顧客に対する電話セールスを常に行っており、残高が1000万円以上の方に絞り込んで電話をかけることも多くありました。
預金残高が潤沢にある場合は、銀行からセールスの電話がかかる可能性があることを覚えておくとよいでしょう。
2. 保有資産を分散するメリット
日本銀行が公表している「預金者別預金」によると、国内銀行における口座数は2023年3月末時点で7億5262万口座となっています。
これを単純に人口で割ると、1人あたりおよそ6つの銀行口座を保有していることとなり、多くの人が複数の口座を使い分けていることが分かります。
ここからは、複数の金融機関に資産を分散するメリットについて紹介していきましょう。
2.1 ペイオフで資産が守られる
前述の通り金融機関にはペイオフという制度があり、万が一金融機関が破綻したときも元本1000万円とその利息までは保護を受けられます。
「金融機関が破綻することなんてめったにない」と感じるかもしれませんが、日本でも金融機関が破綻した例は過去にもあり、決してありえない出来事ではありません。
大切な資産を守るためにも、残高が1000万円を超えたら複数の金融機関に資産を分散することを検討しましょう
2.2 複数の銀行と関係性が築ける
複数の金融機関に資産を分散することは、それぞれの銀行と関係性を築けるメリットがあります。
複数の銀行と関係性を築いていると、各行が取り扱う金融商品の紹介を受けられたり、今後住宅ローンを借りるときに金利を比較したりすることができます。
銀行によってサービス内容や取扱商品に差がありますので、比較したうえで利用先を選べるのは大きなメリットといえるでしょう。
3. 預金残高1000万円を超えたら資産の分散を検討しよう
銀行は預金残高が1000万円以上の顧客に対して、ペイオフの周知や営業目的で電話連絡をすることがあります。
「営業の電話は迷惑だ」と感じることもあるかもしれませんが、ペイオフや資産分散について考える良いきっかけにもなります。
もし銀行から電話がかかってきたら、今後の資産の管理について今一度考えるようにしてみましょう。


