1.1 理由1:ペイオフの対象外となるため

「預金が1000万円を超えると銀行から電話がくる」といわれるのは、ペイオフの仕組みが大きく関係しています。

ペイオフとは、万が一金融機関が破綻したときに預金者の保護を行う制度です。

ペイオフでは保護が受けられる範囲が定められており、普通預金や定期預金など一般的な預金については元本1000万円とその利息が保護される仕組みとなっています。

そのため、通常の預金口座に1000万円以上を預けていると、万が一その銀行が破綻した場合、1000万円を超える部分については保護を受けられない可能性があります。

銀行によっては残高が一定金額を超えると通知を送るところもあり、この通知が「預金が1000万円を超えると電話がくる」といわれるきっかけになっているようです。

1.2 理由2:金融商品の案内のため

銀行は、預金残高が1000万円を超える顧客に対して通知を行う義務はありません。

それでも電話をかけることがあるのは、営業につながる可能性があるためです。

銀行では、預金や融資以外に投資信託や保険商品などの金融商品を取り扱っており、顧客のニーズに合わせて営業を行っています。

預金残高が1000万円以上ある場合は「余裕資産が多い」ということが見込まれるため、営業先としてリストアップされることも少なくありません。

筆者も銀行時代は預金残高が一定数以上の顧客に対する電話セールスを常に行っており、残高が1000万円以上の方に絞り込んで電話をかけることも多くありました。

預金残高が潤沢にある場合は、銀行からセールスの電話がかかる可能性があることを覚えておくとよいでしょう。