2. 法律の抜け道と対策
改正法の値引き規制のみに焦点をあてると、回線契約時のスマホ値引き上限は2万2000円となった。
しかし、端末単体の値引き(いわゆる「白ロム割引」)は制限されておらず、回線契約時の割引と組み合わせることで、「実質」上限なしに割引が可能となっていた。
法律の抜け道は拡大していき、転売ヤー対策が急務となっていた。
そこで、2023年9月8日に行われた総務省の有識者会議にて「競争ルールの検証に関する報告書 2023」が取りまとめられた。
報告書では、
- 割引額の上限は端末価格に応じて最大4万4000円まで
とすることが適当であるとされた。
「2万2000円から最大4万4000円に変更」ではなく、「2万2000円+無制限から最大4万4000円に変更」されたのである。
「最大」の意味は、以下のとおりである(金額はすべて税込み)。
- 端末価格8万8000円超:割引額4万4000円
- 端末価格4万4000円~8万8000円未満:割引額は端末価格の50%
- 端末価格4万4000円以下:割引額2万2000円(端末価格が上限)