2.1 世帯年収と家計支出の差額

共働き世帯と片働き世帯の平均年収と平均支出をまとめると、以下のようになります。

  • 共働き世帯:平均年収830万円、平均支出(年換算)564万円
  • 片働き世帯:平均年収680万円、平均支出(年換算)510万円

年収と支出の差額は、共働き世帯が266万円、片働き世帯が170万円となっており、およそ100万円の差があることがわかります。

あくまでも平均値であり、各家庭の事情等は考慮できませんが、共働きを選択することで年間約100万円分の余裕が生まれる可能性があるということになります。

3. 共働きはリスクヘッジになるが、いくつかのデメリットも

夫婦どちらかが家庭の全収入を担っている場合、収入減少時のリスクが高くなります。

勤務先の業績悪化で給料が減る可能性もありますし、病気やケガで休職を余儀なくされる可能性もあるでしょう。

その点、共働きであればもう1人の収入があり、経済的かつ精神的に余裕を持てるので、リスクヘッジになっていると言えます。

また、2人とも会社員として働いた場合、老齢基礎年金および老齢厚生年金を2人分受け取れることになります。

年金受給額が多いほど老後生活が安定しやすいので、老後破産を防ぐという意味でもリスクヘッジになっていると言えるでしょう。

その一方で、共働きを選択した場合は以下のようなデメリットもあります。

  • 自分の時間、家族と接する時間が減る
  • 家事をする時間が限られる
  • 肉体的かつ精神的に疲労がたまりやすい

当然のことながら、2人とも働いていれば自由に動ける時間は限られます。夫婦間での役割分担だけではなく、家事の時短テクニックを身に付けるなど、さまざまな工夫が必要になるでしょう。

我々の生活ではお金の問題が大きなウェイトを占めていますが、共働きによる弊害も想定しつつ、各家庭にとってベストな方法を模索することが大切です。

参考資料

加藤 聖人