【厚生年金】月額15万円は日本でどれほどの人が受給しているか

では厚生年金に加入して老齢厚生年金が受け取れる場合、「月額15万円以上」受け取れるのはどれほどの割合なのでしょうか。

厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2021年度末時点での厚生年金の平均月額は14万3965円です(ここには基礎年金の金額も含まれます)。

このうち、「月額15万円以上」は46.07%です。

年金を月額で15万円以上受け取れるのは、半数にも満たないようです。

ではこの年金額から、実際にはどれほどのお金が天引きされ、手元に残るのでしょうか。

厚生年金【月額15万円】から天引きされる金額

年金から天引きされるお金は主に以下の3つです。

  • 税金
  • 介護保険料
  • 健康保険料

実際に天引きされるお金は、居住地や年齢、扶養人数などによっても異なります。

ここでは一例として、大阪府大阪市に住む76歳の女性(年金月額15万円)の例で試算してみましょう。なお、年金以外の所得はないものとします。

年金から天引きされる介護保険料

まず、年金年額が18万円以上であれば「介護保険料」が天引きされます。

公的介護制度では、介護保険料を納めることで介護サービスが1~3割の自己負担で受けられます。

上限額等の違いはあるものの、おおまかな仕組みは公的医療保険と同じです。

大阪市の場合、年金年額が180万円の方の介護保険料は年額10万6841円です。

※2021~2023年度の場合

年金から天引きされる健康保険料

年金から介護保険料が天引きされている場合は、原則として健康保険料も天引きされます。

76歳の場合は後期高齢者医療制度に加入していますので、大阪府の場合では年間約5万7300円の保険料がかかります。

年金から天引きされる税金

年金は雑所得に当てはまるため、一定額以上の場合は所得税が課税されます。

年金収入180万円の場合、所得税は年約2850円が源泉徴収されることに。

また復興特別所得税(2013年1月1日~2037年12月31日まで、通常の所得税に上乗せして徴収される特別税)も引かれます。

さらに住民税も約1万6000円が天引きされます。こちらは介護保険料が天引きされているなどの要件があるため、中には天引きされない方もいます(この場合は普通徴収にて納付します)。

ただし、障害年金や遺族年金は非課税です。