厚生労働省が公表した「令和4年簡易生命表の概況」によると、2022年の平均寿命は男性81.05歳、女性87.09歳。医療技術の発達などを要因として、寿命は延びる傾向にあります。

人生100年時代といえど、自由に働ける健康寿命が大きく変わる可能性は低いでしょう。この超高齢化社会で豊かな老後生活を送るカギのひとつは「貯蓄」といえるかもしれません。

では、定年を迎えてセカンドライフをスタートさせる人が多い60歳代・70歳代は、貯蓄をいくら所有しているのでしょうか。

本記事では、60歳代・70歳代の二人以上世帯において「貯蓄3000万円以上」世帯の割合を確認していきます。

60歳代・70歳代の二人以上世帯における「金融資産保有額」の割合は?

そもそも貯蓄とは、預金や貯金だけでなく生命保険や投資などを含む金融資産全体のことを指します。

まずは、60歳代・70歳代それぞれの二人以上世帯における、金融資産保有額の割合を見ていきましょう。

60歳代「金融資産3000万円以上」の割合は約20%

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」によると、令和4年(2022年)60歳代の金融資産額の分布は次の通りです。

《60歳代(二人以上世帯)金融資産保有額の割合》

  • 非保有:20.8%
  • 100万円未満:6.1%
  • 100万円~200万円未満:5.5%
  • 200万円~300万円未満:3.3%
  • 300万円~400万円未満:3.2%
  • 400万円~500万円未満:3.4%
  • 500万円~700万円未満:5.3%
  • 700万円~1000万円未満:6.1%
  • 1000万円~1500万円未満:8.6%
  • 1500万円~2000万円未満:5.7%
  • 2000万円~3000万円未満:8.8%
  • 3000万円以上:20.3%
  • 無回答:2.9%

60歳代のうち、およそ20%が貯蓄3000万円以上を達成しています。

60歳代前半は、退職金という一時的にまとまった収入を得ることの多い世代である状況も影響したかもしれません。