2. 医療費控除を受けられるのはいくらから?
医療費控除が適用されるのは、「医療費が10万円以上かかったとき」と聞いたことがある方もいるでしょう。
正しくは、以下の計算式で求めた金額で、最高200万円までとされています。
医療費控除=[実際に支払った医療費の合計額]-[保険金等で補填された金額]-10万円(※)
※当年の所得が200万円未満の場合は、総所得金額の5%の金額
「保険金等で補填された金額」とは、生命保険から支払われた入院給付金や手術給付金のほか、健康保険から支払われた出産育児一時金や高額療養費などが該当します。
なお、10万円を差し引くのはその年の所得が200万円以上の方の場合で、200万円未満の方は総所得金額の5%にあたる金額を差し引きます。
2.1 医療費控除をシミュレーション
ではここで、医療費控除を受けられる金額をシミュレーションしてみましょう。シミュレーション条件は以下の通りです。
- 1年間にかかった医療費の合計額:25万円
- 生命保険からの補填金:5万円
- 所得金額:①400万円と②180万円の2パターンで試算
【医療費控除額の計算】
- 所得金額400万円の場合
医療費控除=(25万円-5万円-10万円)=10万円
- 所得金額180万円の場合
医療費控除=(25万円-5万円-9万円(※))=11万円
※180万円×5%=9万円
【還付金額の計算】
上表の「所得税の速算表」より、所得400万円の場合の税率は20%、180万円の場合は5%です。
- 所得金額400万円の場合
医療費控除額10万円×20%=2万円
- 所得金額180万円の場合
医療費控除額11万円×5%=5500円
したがって、所得金額400万円の場合は医療費控除額が10万円になり2万円の還付金が受け取れ、所得金額180万円の場合は医療費控除額が11万円で還付金は5500円になります。