2. NISAのよくある活用目的・投資目的3選

アンケート結果も踏まえながら、よくある資産運用の目的と、運用方法のポイントを整理しました。

資産運用の計画を立てる場合には、まず運用の目的を明確にすることが大切です。

ここから紹介する目的を参考に、自分なりに運用目的を整理してください。

2.1  老後の生活資金の確保

全年代にわたって、資産運用の目的としてトップに来るのが「老後の生活資金」の形成です。

新NISAが始まると非課税期間が無期限となり、より長期での資産形成に向いた制度となります。

現年齢から65歳の期間を踏まえて、積立額や目標利回りを設定し、計画的な資産形成を進めましょう。

運用期間が長い若い世代ほど、株式投資などで適度なリスクをとって資産の成長を加速させるのが有効です。

老後が近づくにつれて、債券投資などリスクの低い資産の割合を増やして、資産の保全を重視しましょう。

2.2 大きなライフイベントに向けた資産形成

結婚費用、子育て・教育費用、住宅費用など、大きな出費に備えるためにNISAで資産運用をする方も少なくありません。

若年層ほど、将来のライフイベントが多いため、それぞれに備えることが大切です。

ライフイベントは、老後と比べると一般に近い将来に向けて資産形成をすることになります。

投資期間が短い分、早めに計画を立てて資産形成をスタートするのが大切です。

大きな損失を出すと短期間では回復が難しくなるので、低リスクな資産を多めにして運用するのがよいでしょう。

2.3 家計の安定性を高めるため

家計の安定性を高めるために余裕のあるときに資産運用を進めて、投資収入で補填するという考え方もあります。

常に生活費が不足するのであれば、そもそも投資に回すのは適切ではありません。

一方で、賞与がでるタイミングや支出の少ない時期に投資しておくのは有効な対策の一つです。

この場合、定期的な現金収入がある程度見込める投資先を選ぶと、投資収入を活用しやすいでしょう。

配当が高い株式、分配金が適度に出る投資信託などへの投資を検討してみてください。

3. まとめにかえて

日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査【インターネット調査】(概要)」をもとに、年代別の目的を見ていきました。

20歳代~30歳代は「生活費の足しや子の教育資金」が多く、40歳代~60歳代は「老後の生活資金づくり」の割合が高くなります。

目的に合わせ、上手に利用していきたいですね。

参考資料

太田 彩子