年収1000万円でも生活が苦しい理由

一握りの方が到達できる「年収1000万円超」ですが、それでも生活が苦しいという声が聞かれます。

その背景として、さまざまな所得制限にひっかかること、さらに税金の負担が重いことがあげられます。

例えば拡充が2024年12月にせまる児童手当ですが、現行では年収制限にかかると支給額が5000円になる、あるいは支給されなくなります。

他にも乳幼児医療助成などで所得制限が設けられることが多く、年収1000万円超の世帯では受けられません。

また課税される所得金額が899万9000円までであれば所得税の税率が23%ですが、900万円を超えると33%にあがります。

年収1000万円を超えると、こうした税率があがって負担が増えることもあるでしょう。

負担がのしかかる中、年収1000万円超の世帯ではどれほどの貯蓄を備えられているのでしょうか。

年収1000万円超の貯蓄はいくら?

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金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、二人以上の世帯年収1000万円超の平均貯蓄額は下記の結果となりました。

  • 年収1000~1200万円未満:平均2556万円・中央値1000万円
  • 年収1200万円以上:平均3575万円・中央値1800万円

平均値は、すべてのデータ数を足してその個数で割った数値であるのに対して、中央値はデータを小さいものから順に並べたときのちょうど中央に位置する値です。

そのため、中央値がより実態に近いといえるでしょう。

どちらの世帯も年収かそれ以上の貯蓄ができているようです。

ただし、どちらも1割以上が「金融資産非保有」となっており、貯蓄が進んでいない現状もわかります。

家庭によっては、たとえ高収入といえる「年収1000万円超」であっても、生活が苦しいと感じているようです。