2.2 中小企業の社員が受け取れる退職金の平均金額
続いて、中小企業の社員が受け取れる退職金の平均金額を見ていきましょう。
東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)によると、企業規模が300人未満の企業の定年退職金は下記の結果となりました。
※卒業後すぐ入社し普通の能力と成績で勤務した場合の水準
大企業と中小企業の退職金額を比較すると、会社の規模によって約1000万円ほど金額に差があることがわかります。
また、中小企業においても学歴によってわずかに退職金に違いが出ています。
とはいえ、大企業・中小企業ともに上記の金額はあくまでモデル退職金額であり、実際は企業の方針や勤続年数によっても差が生じることから、目安として参考にすると良いでしょう。
3. 退職金が受け取れないケースも想定しておこう
本記事では、公務員や会社員が定年時に受け取れる退職金について詳しく紹介していきました。
公務員と会社員の退職金を比較すると、公務員もしくは大企業に勤めている人は退職金を2000万円受け取れる可能性があります。
一方で中小企業の場合は、企業によって大きく差は生じますが、モデル退職金額をみると、公務員や大企業の会社員よりも定年退職金が低くなる傾向にあります。
とはいえ、どの職種に勤めていた場合でも、将来「必ず退職金がもらえる」保証はありません。
定年退職金の受給額は年々減少傾向にあり、企業によってはそもそも退職金を支給しないところもあります。
「老後資金は退職金でなんとかする」と考えている方は、退職金が受け取れなかった場合も想定して、今のうちから少しずつ老後資金の準備をしておけると、将来の安心材料になり得るでしょう。
参考資料
太田 彩子