「こんなことにお金を使うんじゃなかった…」と後悔するのは、値段が高かった、安かっただけではありません。
欲しいものを手に入れるプロセスで「少しでも安く買おう」と思ってしまったことが「後悔のもと」になってしまうことがあるようです。
これから年末セールや初売り、福袋など、楽しみなイベントがたくさん控えていますが、メリハリをつけたいところです。
今回は、誰にでもある「少しでも安く買おう」という気持ちが「人生で後悔した買い物」になってしまった方の体験を、インタビュー形式でお届けします。
人生で後悔した買い物についてお話くださったのは和歌山県在住のユウキさん
和歌山県にお住いのユウキさん(50歳代・仮名)は、若いときから車が好きで、週末になったら中古車ショップを見て回るのが趣味だったそうです。
ユウキさんが「人生で後悔した買い物」は「30歳代のときに610万円で購入したホンダのスポーツカーNSX 6.」です。
30歳代で、610万円もする中古車というだけで驚きです。
ユウキさんは、もとからNSX 6.を600~700万円ぐらいで買うつもりだったようで、そのためのお金は準備済みだったそうです。
ユウキさんが経験した買い物での後悔とは、どのようなものだったのでしょうか。
お金を貯めて念願の車を手に入れたらハズレだった…
1/4
Paceman/shutterstock.com ※写真はイメージです
――ユウキさんが今までの人生で、後悔した買い物は「30歳代のときに610万円で購入したホンダのスポーツカーNSX 6.」とのことですが、後悔の内容と、購入経緯を教えてください。
ユウキさん:
お金を貯めて晴れて念願の車を手に入れたら、それがハズレだった…という後悔です。
私はもともと車が大好きで、週末になれば中古車店を見て回っており、中古車店で働いている友人もいました。
私が購入したNSX6.は人気のあるスポーツカーで、新車は到底買えない価格です。
ただ、私にとってどうしても欲しい車だったので「600~700万円」ぐらいの予算で買える中古車を探していた矢先、オークションで「これは!」というのを見つけることができました。
お金も貯まっていたので、すぐに友人に
- オークション代理費用、名義変更等の手続き、運送料すべて込みで30万円を支払う。
- 買った後のフォローはなし。
という条件で、代理で手続きをしてもらいました。
中古車販売店では、中古車を購入した場合の諸費用の相場は車両本体価格の10~20%。
私が購入した610万円のNSX6.であれば「61~122万円」かかります。
欲しい車だったけど、少しでも安くしたいという気持ちもあり、中古車販売店を利用しませんでした。
NSX6.を購入して1か月以内にエンジンに不調!原因は「タイミングベルトの交換不備」
2/4
umaruchan4678/shutterstock.com
――念願の車が安く手に入り、さらに、購入諸費用も「約30~90万円」も節約できた!
購入段階では「成功」のような気がしますが、それがハズレだったんですか?
ユウキさん:
そうなんですよ。
車を購入して1か月以内にエンジンが不調になり、すぐに修理に持って行きました。
実は、なんだか嫌な予感がしていたんですが「メーターに改ざん」があったことが発覚しました。
――メーターの改ざんとエンジンの不調はどう結びつくのですか?
ユウキさん:
エンジンの不調は、タイミングベルトの交換不備が原因で起こったものでした。
タイミングベルトとは、エンジンを適切に動かすために調整するベルトです。
ゴム製品なので、「総走行距離9~10万km」ぐらいで通常は交換します。
メーターの走行距離は、当初6万km程度だったため、状態がいいと判断して購入しましたが、どうも「メーターの巻き戻し」をされていたようです。
慌てて車検証を確認したら記載は「11万km」。がっかりしました。
後から知りましたが、メーターの改ざんによるトラブルは珍しくないみたいです。
他にも、ラジエーターが故障した等の修理がチラホラありました。
こちらはそう大きな修繕費にならなかったので助かりましたが、手に入れたときの喜びがあった直後の、メーターの巻き戻しが発覚しただけに、落胆は相当でした。
苦い記憶です。
――買った直後のトラブル、がっかりしますよね。そうならないためには、どうすれば良かったんでしょうか?
ユウキさん:
多少高くとも、ちゃんと中古車店から購入しておけばよかったと思います。
今回のようにオークション代理等を個人にお願いするのではなく、お店に依頼しておくべきでした。
そうすればちゃんと補償も受けられたと思うので。
後悔からの学び:ユウキさんの現在のマネープランは?
――「苦い記憶」と仰ってましたが、現在のマネープランは順調ですか?教訓になったこと、その後の家計管理の変化など教えてください
ユウキさん:
元々NSXを買うために700万円を貯金していました。
個人に手続きをお願いして、節約したつもりでしたが、修理などにお金がかかり、全て使ってしまいました。
とはいえ、700万円の範囲内で収めることが出来たので、その後の家計管理に大きな影響はありません。
現在の資産は、不動産1200万円+貯金1000万円のトータル2200万円以上です。
世帯年収は600万円ほどなので、まあまあでしょうね。
教訓としては、買い物をする際、保証を意識するようになりました。
例えば、エアコンを買う場合、メーカー保証期間だけでは不安なので8年や10年等の長期保証に加入するようにしました。
参考)50歳代の平均貯蓄額はどれくらい?
参考までに、50歳代の平均資産額についてご紹介します。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、50歳代の貯蓄額を「二人以上世帯」と「単身世帯」に分けて見ていきましょう。
50歳代の貯蓄額(二人以上世帯)
二人以上の50歳代世帯では、貯蓄額の平均額は1253万円、中央値は350万円です(【円グラフ1参照】)。
- 貯蓄ゼロ:24.4%
- 100万円未満:9.3%
- 100万~200万円未満:5.8%
- 200万~300万円未満:4.2%
- 300万~400万円未満:5.1%
- 400万~500万円未満:3.2%
- 500万~700万円未満:5.0%
- 700万~1000万円未満:5.7%
- 1000万~1500万円未満:8.8%
- 1500万~2000万円未満:6.0%
- 2000万~3000万円未満:7.2%
- 3000万円以上:10.8%
- 無回答:4.6%
50歳代の貯蓄額(単身世帯)
続いて単身世帯の場合、貯蓄額の平均は1048万円、中央値は53万円です(【円グラフ2】参照)。
- 貯蓄ゼロ:39.6%
- 100万円未満:11.5%
- 100万~200万円未満:5.5%
- 200万~300万円未満:4.4%
- 300万~400万円未満:3.0%
- 400万~500万円未満:1.9%
- 500万~700万円未満:3.0%
- 700万~1000万円未満:5.5%
- 1000万~1500万円未満:4.6%
- 1500万~2000万円未満:4.1%
- 2000万~3000万円未満:4.1%
- 3000万円以上:9.6%
- 無回答:3.3%
まとめにかえて
ユウキさんは、目先の損得で下した判断が、後悔につながってしまったようです。
中古車の取り扱いに慣れているお店に依頼していれば、メーターに改ざんがあることは事前に見つかっていたかもしれません。
多少、手数料がかかったとしても、その費用は、正規のルートを通ったことを意味するもので「必要経費」といえるのではないでしょうか。
参考資料
舟本 美子